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勢
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ぜい
ふりがな文庫
“
勢
(
ぜい
)” の例文
地点は、森武蔵
勢
(
ぜい
)
の
拠
(
よ
)
っている岐阜ヶ嶽の下——
仏
(
ぶつ
)
ヶ
根
(
ね
)
池
(
いけ
)
のなぎさである。馬に水を飼い、馬の脚を、水に
浸
(
つ
)
けて冷やしているのだ。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
親指が没する、
踝
(
くるぶし
)
が没する、
脚首
(
あしくび
)
が全部没する、ふくら
脛
(
はぎ
)
あたりまで没すると、もうなかなか
渓
(
たに
)
の方から流れる水の流れ
勢
(
ぜい
)
が分明にこたえる。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
武人の文化が源氏や北条氏を
首石
(
おやいし
)
にしたのと違って、江戸に生れた平民の文化は、正真正銘、日本全国の寄り合い
勢
(
ぜい
)
で作ったものに相違なかった。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
で自然の勢いとして、田安家の
勢
(
ぜい
)
も一ツ橋家の勢も、そうして君江も小一郎も、盆地で一緒にならなければなるまい。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
今日
井伊藤堂
(
いいとうどう
)
の
勢
(
ぜい
)
が苦戦したを、越前の家中の者は昼寝でもして、知らざったか、両陣の後を
忠直卿行状記
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
わしは
伏
(
ふ
)
せ
勢
(
ぜい
)
の兵たちに、もう矢を
射
(
い
)
放
(
はな
)
させようか、もう射殺させようかと、いくども思い思いしたけれど、一つにはお父上のことを思いかえし、つぎには妹たちのことを思い出して
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
敵
勢
(
ぜい
)
は、リビイの
砂原
(
すなはら
)
、
或
(
ある
)
はまた、丘上の角面堡より攻めんとす。
ランボオ詩集≪学校時代の詩≫
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
ははゝゝ 大
勢
(
ぜい
)
で
同
(
おな
)
じ夢をみるわけにはいかないよ
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
と、逃げなだれた
泊兵
(
はくへい
)
の
勢
(
ぜい
)
を
後目
(
しりめ
)
に自陣の方へ帰りかけるところだった。——それを見ると、休んでいた林冲がまた馬を躍らせて来て。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、腹背の二手の
勢
(
ぜい
)
は、ドッと喊声を響かせたが、思慮浅くムラムラと、七福神組へ走り寄った。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
親指が没する、
踝
(
くるぶし
)
が没する、脚首が全部没する、ふくら
脛
(
はぎ
)
あたりまで没すると、もう中〻渓の方から流れる水の流れ
勢
(
ぜい
)
が分明にこたへる。空気も大層冷たくなつて、夜雨の威がひし/\と身に浸みる。
観画談
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「甲斐、信濃の源氏。北陸七ヵ国の
勢
(
ぜい
)
。——また西国では、安芸、長門、周防、四国の伊予にまでも、このたびは、お下知のまいらぬ国はありません」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
むらむらと寄る敵の
勢
(
ぜい
)
。無惨や数馬は乱刃の下に今は
生命
(
いのち
)
を落とさなければならない。オースチン老師も芳江姫も同じく敵の重囲の中に身動きも出来ず取り込められている。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「それよ。足利どのの勢力が増さぬうち、あの一
勢
(
ぜい
)
は、ぶち
潰
(
つぶ
)
すとか宮の武士はいっている。……ゆうべも、
殿
(
でん
)
ノ法印の家来衆が、辻の小酒屋で言っておった」
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
表門から走り出た、五、六十人の一ツ橋家の
勢
(
ぜい
)
が、ようやくこの時追い付いたのである。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
わが大事は、
露顕
(
ろけん
)
したらしいが、射手の
勢
(
ぜい
)
は、
多寡
(
たか
)
の知れた人数。しかも大将徐晃はただ一と矢に射止めた。蹴ちらす間には、やがて金城、
上庸
(
じょうよう
)
の援軍も来る。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すでに夕方ぢかくから、しきりに、さぐりの
勢
(
ぜい
)
で小当りに当らせていたが、山上の常ならぬ気配を知ると
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その下には侍大将の南条左衛門高直以下の
勢
(
ぜい
)
六万騎と、古典では誇張してある。が、実数はほぼ一万弱か。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれどひとたび魏の
勢
(
ぜい
)
が
雲霞
(
うんか
)
のごとく攻め来ったときは、五千の小勢は、到底、その抗戦に当り得ず、山上の本軍も、水を断たれて、まったく士気を失い、続々
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「直義一
勢
(
ぜい
)
はいま、箱根路の三島口、
水飲
(
みずのみ
)
という部落の前に
壕
(
ほり
)
を切って、一族死に物狂いでふせぎ戦っていると申す。……我慢はここわずかなまだ。死ぬなと申せ」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところが、この秋、
浪華
(
なにわ
)
附近の激戦の折、乱軍の中で、楠木
勢
(
ぜい
)
の手に、
捕虜
(
ほりょ
)
になったと伝えられた。
日本名婦伝:大楠公夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これは、安定より駈けつけてきた味方の
勢
(
ぜい
)
にて候。仔細は矢文にて」と、用意の一矢を射込んだ。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
花山院の皇居からたったいま退出して、これに待っていた一
勢
(
ぜい
)
と、ひとつになったものだった。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一とかたまりの武者が
白刃
(
はくじん
)
をそろえて前を
塞
(
ふさ
)
いだ。みな
面
(
おもて
)
や全身を血にそめている死にもの狂いの荒木
勢
(
ぜい
)
である。殊に、うしろへ駆け廻った幾名かは、栗山善助の背に眼をつけて
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いうまでもなく、
幻
(
まぼろし
)
の敵にたいする先帝奪回の封じ手だった。——高氏の一
勢
(
ぜい
)
などもまた、
羅刹谷
(
らせつだに
)
を出て、大和口の三ノ橋に、こよいも
篝火
(
かがりび
)
をさかんにし、非常の警備についていた。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もし軍装や兵の表情が、いくらかでもその大将の立場なり性格を反映するものなら、この一
勢
(
ぜい
)
の大将は、よほど何か
不遇
(
ふぐう
)
にあるか、不満なのか、とにかく、異常者にちがいなかった。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勝ちに
逸
(
はや
)
れば、大敗を取る公算も多い。……すでに、ここの
勢
(
ぜい
)
も二千とかぞえて、旗奉行の
了現
(
りょうげん
)
は誇っておるが、あらましは
散所
(
さんじょ
)
の浪人や、
烏合
(
うごう
)
の
輩
(
はい
)
。元々、たのめる武士はいくらもおらぬ。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
必ず蜀の
勢
(
ぜい
)
が
鼓
(
こ
)
を鳴らして来るだろうと予測していたところ、一本の矢すら飛んで来ないので、徐晃は拍子抜けしながらも、敵の柵を破壊し、壕を埋め、さんざんに振舞って、やがて日没に近づくと
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
討手の
勢
(
ぜい
)
を踏み込ますわけにはゆかない。手続きが要る。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お味方の
勢
(
ぜい
)
にござりました」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勢
常用漢字
小5
部首:⼒
13画
“勢”を含む語句
気勢
威勢
大勢
多勢
勢力
姿勢
形勢
水勢
時勢粧
御勢
氣勢
無勢
勢揃
豪勢
上泉伊勢守
助勢
巨勢金岡
伊勢詣
小巨勢
人勢
...