ぜい)” の例文
ひと生血いきちをしぼりたるむくひか、五十にもらで急病きうびやう腦充血のうじうけつ、一あさ此世このよぜいをさめて、よしや葬儀さうぎ造花つくりばな派手はで美事みごとおくりはするとも
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
頼朝創業のときの例にならって、このさい、諸国の武士領へ、所領二十分ノ一のぜいを課すがよいと申すのか。
「あいつをおさえろ。あいつをおさえろ。あいつは通行ぜいをはらわない。通行証もみせやしない。」
ところが、支那しなではぜいがかゝらないので、在留ざいりう日本人たちは、みんな立派りつは器械きかいを持つてゐる。いつもそのてんではがひけたが、印畫いんぐわを見せてもらふとあん心した。
幸いにして我が国では相当にぜいは重いとはいいながら、まだまだ個人の営業について、しばしば犠牲ぎせいを要求するほどに弱いものでないのはお互いにけいすべきことである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
が、四疊半よでふはんでも六疊ろくでふでも、琵琶棚びはだなつきの廣間ひろまでも、そこは仁體にんてい相應さうおうとして、これに調子てうしがついて、別嬪べつぴんこゑかうとすると、三味線さみせん損料そんれうだけでもおやすくない。しろ指環ゆびわぜいがかゝる。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あつてもくてもぜいはとる
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
くらものはあるまいとてくちぜいねばわがおもしろにひと女房にようぼひようしたてる白痴こけもあり、豆腐おかべかふとて岡持おかもちさげておもていづれば、とほりすがりのわかひとふりかへられて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)