たけ)” の例文
「なにがたけえものか。ときによったら、やすいくらいのもんだ。——だがきょうはたところ、一しゅはおろか、財布さいふそこにゃ十もんもなさそうだの」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
頭のかんざしは山田屋か、損料はたけえがい物を持っているなア、これじゃアお母様ふくろさまの気に入らア、これからすぐきましょう
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
やっぱり王公は眼がたけえや。ハハハハ。今度上海シャンハイへ来たら是非モウ一度寄ってくれって?……ナカナカ執念深いな。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
えれえ! 眼がたけえ! 小判の隠場ア此処と眼をつけたんだからなア。…よし来た、そうなりゃアお互い相棒あいづれで行こう。……が相棒になるからにゃア……
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ははははは、金山寺の、とうとう気がついたか。おめえの眼は、さすがにたけえや。いかにも、このお方は、おめえの今言った、神田帯屋小路の——」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「エエと、あのたけえのが獅子ヶ鼻という山だ、あの山の蔭へ行ってみたら、いいところがあるかも知れねえ」
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
姐御あねごはやっぱり、眼がたけえぜ。代物しろものは、ボール函包みの中だア、絶対ぜってえちげえはねえ。もう袋の中のねずみだア」
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
「さう言はずに、何とか歩み寄つたらどうだね。千兩もちとたけえやうだが、百兩もあんまり可哀相だね。」
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
ここにその兄の曰はく、「もし汝、この孃子を得ることあらば、上下の衣服きものり、身のたけを量りてみかに酒を、また山河の物を悉に備へ設けて、うれづくをせむ」
アオーイ鰌屋どじょうや、いくらだ一升、ウ、たけえ高え負けろ、もう二文負けろィ、あれ因業いんごうだな、ヤイ負けねえとぶンなぐるぞ、ア負けたか感心なんまいだぶなんまいだぶ、オイ婆さん
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
なあ、ばあさん。——あらものばあさんが、つてるんだ。椋鳥むくどり畜生ちくしやう、もの干棹ほしざを引掻ひきか𢌞まはいてくれようと、幾度いくど飛出とびだしたかわからねえ。たけえからとゞかねえぢやありませんかい。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「へッ、へッ、お察しの通りで、銭形の親分はさすがに眼がたけえ」
なに指ぐらい打切ぶちきられたって、たけえ給金を取って命いつなごう、なに指い切ったってはア命には障らねえからって、得心して奉公に来て、つい粗相で皿を打毀ぶちこわすと
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「一しゅたけえの」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
いんやけえらねえッたらけえられねえや、どうせ細った素首そっくびだから三尺たけい処へ板付いたつきになって、小塚原か鈴ヶ森へさらされた時に、あゝい気味だと云って笑って下せえ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
丹「そりゃアたけえな、一箱三拾両なんて魂消たまげた、怖ろしい高え薬を売りたがる奴じゃアねえか」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ヘエ行ってめえりました、蔵の方にゃ預かる者があるから心配しんぺいしなえがえ、何時いつでもけえったら直ぐに出すばいて、蔵の下は湿しけるから湿なえたけとこに上げて置くばいといってね
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
女「たけえたって極って居るのでがんすから、その代り楽でねえ、坂へ廻ってはハア道がハアえらいでねえ、急の坂ががんすから、此処から折田おりたへ出る道が極って居て楽でがんす」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
はい此方こつちへおいでなさい、こつれる物をもつておいでなすつたか。金「イエ、なにはうとおもつたが大分だいぶたけえやうですから、彼所あすこに二しようどつこりの口のかけたのがあつたからあれもつました。 ...
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
うか、それで婆ア様ア悦んで行くのだ、久しく尋ねねえだが秋口は用が多えで此の間買った馬は二両五粒だが、たけえ馬だ、見毛みけいが、うも膝頭ひざっこ突く馬で下り坂は危ねえの
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
鼻がたけえと思ったが、旦那殿が死んで仕舞って見ると、今ではおめえの身代だから、まアうちの為え思ってお前も今迄骨折って呉れただが、去年あたりから大分でえぶ泊りがけに出かけるものだから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それからけえるのでがんすが、御用があるなら關善からおらの方までそう云って来れば、中の条の方へ出る用があるから、用を聞きに毎日きますから、る物があるなら四万で買うとたけえから
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
鐵「へえー大変でげすな、御獄さんてえのは滅法けえたけえ山だってね」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
爺「たけえって五両五粒がものはあらア」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
角「たけえなア」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)