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生
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せい
ふりがな文庫
“
生
(
せい
)” の例文
是
(
こ
)
れは
困
(
こまっ
)
た、今
彼処
(
あそこ
)
で飲むと
彼奴等
(
きゃつら
)
が奥に
行
(
いっ
)
て何か
饒舌
(
しゃべ
)
るに違いない、邪魔な奴じゃと云う中に、長州
生
(
せい
)
に
松岡勇記
(
まつおかゆうき
)
と云う男がある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
かれは文学と画とを
併
(
あわ
)
せ学び、これをもって世に立ち、これをもってかれ一
生
(
せい
)
の事業となさんものと志しぬ、家は富み、年は若し。
わかれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
来たら留めて置いてくれとのはがきに接した時、いさゝか不審に思いは思いながら、まさか彼が
生
(
せい
)
を
見捨
(
みす
)
てようとは思わなかった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
土生仙之助がサッ! と顔色を変えたかと思うと、突如庭奥の
闇黒
(
やみ
)
から銀矢一閃、
皎刃
(
こうじん
)
、
生
(
せい
)
あるごとく飛来して月輪軍之助の胸部へ……!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
実はかく申す
生
(
せい
)
も数年前までは『古今集』崇拝の一人にて
候
(
そうら
)
いしかば、今日世人が『古今集』を崇拝する
気味合
(
きみあい
)
はよく
存申
(
ぞんじもうし
)
候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
▼ もっと見る
我
(
われ
)
は
手
(
て
)
に
握
(
にぎ
)
つて、
双
(
さう
)
の
眼
(
まなこ
)
で
明
(
あきら
)
かに
見
(
み
)
る
采
(
さい
)
の
目
(
め
)
を、
多勢
(
たぜい
)
が
暗中
(
あんちゆう
)
に
摸索
(
もさく
)
して、
丁
(
ちやう
)
か、
半
(
はん
)
か、
生
(
せい
)
か、
死
(
し
)
か、と
喧々
(
がや/\
)
騒
(
さわ
)
ぎ
立
(
た
)
てるほど
可笑
(
をかし
)
な
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
い。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
丁度黄昏どきのわびしさの影のようにとぼとぼとした気持ちで体をはこんで来た、しきりに
生
(
せい
)
の
刺
(
とげ
)
とか悲哀の感興とでもいう思いがみちていた。
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
素人
(
しろうと
)
ながらも、何ら
生
(
せい
)
ある音を聞き得ない。水を
吐
(
は
)
いたかと聞けば、吐かないという。しかし腹に水のあるようすもない。
奈々子
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
生き恥を曝したあの女も、絶望と羞恥とから自殺をしようと、惨めな
生
(
せい
)
をつづけようと、いずれにせよ破滅したのだ。……
決闘
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それが、あたかも
生
(
せい
)
あるもののごとく、綱わたりをいたしまするから、ふしぎもふしぎ、まかふしぎ。さあ大夫さん、わたりましょうぞ。はーッ
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そういう死の
懊悩
(
おうのう
)
が彼の幼年時代の数年間を苦しめた。——その懊悩はただ、
生
(
せい
)
の
嫌悪
(
けんお
)
によってのみ和げられるのだった。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
さりながら彼らの孝道は畢竟かくのごとくに
生
(
せい
)
を
享
(
う
)
け、かくのごとくに生をつづけてることをもつて無上の幸福とする感謝のうへにおかれてゐる。
銀の匙
(新字旧仮名)
/
中勘助
(著)
生
(
せい
)
の歡びを感ずる時は、つまり自己を感ずる時だとおもふ。自己にぴつたりと逢着するか、或はしみじみと自己を噛み味つてゐる時かだらうとおもふ。
樹木とその葉:18 自己を感ずる時
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
この
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
っている三
人
(
にん
)
のものは、たがいに
顔
(
かお
)
を
見合
(
みあ
)
って、ため
息
(
いき
)
をつきました。
生
(
せい
)
も、
死
(
し
)
も、
運命
(
うんめい
)
にまかせるよりほかに、みちがなかったからです。
南方物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
是
(
これ
)
を哲学にすると、
死
(
し
)
から
生
(
せい
)
を
出
(
だ
)
すのは不可能だが、
生
(
せい
)
から
死
(
し
)
に移るのは自然の順序であると云ふ真理に帰着する。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
渠は今更らの如く
生
(
せい
)
の響きを感じた。そして、それと同時に、悲痛孤獨の感じがもとの通り胸一杯に溢れて來た。
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
わしの胸には
生
(
せい
)
の鼓動を感じ、わしの腕には力を感じ、わしの誇りとする思想は鷲のごとくに空間を看破する。
世界怪談名作集:14 ラザルス
(新字新仮名)
/
レオニード・ニコラーエヴィチ・アンドレーエフ
(著)
それでも自分ぢや何か為てる積りかなんかで……そりや
到底
(
とても
)
叔父さんの心持を節やなんかに話さうたつて、話せるもんぢやない……
生
(
せい
)
の焔ツてことが有るが
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
燕王
遂
(
つい
)
に
復
(
また
)
師を
帥
(
ひき
)
いて
出
(
い
)
づ。諸将士を
諭
(
さと
)
して曰く、
戦
(
たたかい
)
の道、死を
懼
(
おそ
)
るゝ者は必ず死し、
生
(
せい
)
を
捐
(
す
)
つる者は必ず生く、
爾
(
なんじ
)
等
(
ら
)
努力せよと。三月、
盛庸
(
せいよう
)
と
來河
(
きょうが
)
に
遇
(
あ
)
う。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
精
(
せい
)
があればこそあんなにも
生
(
せい
)
を
楽
(
たの
)
しみ、あんなにも
美
(
うつく
)
しい
姿態
(
すがた
)
を
造
(
つく
)
りて、
限
(
かぎ
)
りなく
子孫
(
しそん
)
を
伝
(
つた
)
えて
行
(
ゆ
)
くのじゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
一切に絶望し一切を
虚無
(
ニヒル
)
と見流し、既に詩作さへ無意味だと感じて居たのだけれどもその心を裏切る
生
(
せい
)
の未練が死を戀うて蟲けらのやうに生きる『墓標』を書き
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
大原君が洋行から帰って来て天下に家庭教育の改良を
呼号
(
こごう
)
する時分はまた大食
一点張
(
いってんばり
)
の大原
生
(
せい
)
でないぜ。世間は必ず家庭の救世主を以て大原君を崇拝するだろう。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
どうしてかうも今の自分の
生
(
せい
)
全体と無関係なことに興味を持つのか、不思議と云へば不思議であつた。
癩を病む青年達
(新字旧仮名)
/
北条民雄
(著)
地
(
ち
)
を
呪
(
のろ
)
ふのぢゃ?
生
(
せい
)
と
天
(
てん
)
と
地
(
ち
)
と
此
(
この
)
三
(
み
)
つが
相合
(
あひあ
)
うて
出來
(
でき
)
た
身
(
み
)
をば、つい
無分別
(
むふんべつ
)
に
棄
(
す
)
てうでな?
馬鹿
(
ばか
)
な、
馬鹿
(
ばか
)
な!
姿
(
すがた
)
を、
戀
(
こひ
)
を、
分別
(
ふんべつ
)
を
辱
(
はづかし
)
むる
振舞
(
ふるまひ
)
といふものぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
いま孔明の
布
(
し
)
いた陣には八つの門がある。名づけて、
休
(
きゅう
)
、
生
(
せい
)
、
傷
(
しょう
)
、杜、
景
(
けい
)
、
死
(
し
)
、
驚
(
きょう
)
、
開
(
かい
)
の八部とし、うち開と休と生の三門は吉。傷と杜と景と死と驚との五門は凶としてある。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(六四)
君子
(
くんし
)
は
世
(
よ
)
を
沒
(
をは
)
りて
名
(
な
)
の
稱
(
しよう
)
せられざるを
疾
(
にく
)
む。
(六五)
賈子
(
かし
)
曰
(
いは
)
く、『
(六六)
貪夫
(
たんぷ
)
は
財
(
ざい
)
に
徇
(
じゆん
)
し、
(六七)
烈士
(
れつし
)
は
名
(
な
)
に
徇
(
じゆん
)
し、
(六八)
夸者
(
くわしや
)
は
權
(
けん
)
に
死
(
し
)
し、
衆庶
(
しうしよ
)
は
(六九)
生
(
せい
)
を
馮
(
たの
)
む』
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
わしは人間というものがこのようなさびしい、
乏
(
とぼ
)
しい状態に
陥
(
おちい
)
り得るものとは思わなかった。いや、それよりもかような
寂寞
(
せきばく
)
と欠乏とに
耐
(
た
)
えてもなお
生
(
せい
)
を欲するものとは思わなかった。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
今までの己は
生
(
せい
)
とはいっても
真
(
まこと
)
の生ではなかったから、己は今から己の死を己の生にして見よう。死も生も認めぬ己が強いて今までを生といって、お前を死と呼ばねばならぬはずがない。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
が、世間の思っているように岩山ばかりだった
訣
(
わけ
)
ではない。実は
椰子
(
やし
)
の
聳
(
そび
)
えたり、
極楽鳥
(
ごくらくちょう
)
の
囀
(
さえず
)
ったりする、美しい
天然
(
てんねん
)
の
楽土
(
らくど
)
だった。こういう楽土に
生
(
せい
)
を
享
(
う
)
けた鬼は勿論平和を愛していた。
桃太郎
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そういう場所で人が感ずるところのものは、既にわれわれがマリユスについて指摘してきたとおりであり、また結果もやがて述べんとするとおりであるが、実に
生
(
せい
)
以上でありまた以下である。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
生
(
せい
)
の少女のナペアイが住んでいる。また狭く並んだ木々が9540
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
さらにわが
生
(
せい
)
を
力
(
ちから
)
あらしめんがために
砒素
(
ひそ
)
を
医局
(
いきよく
)
の棚より盗み
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そのよろいが、まるで
生
(
せい
)
あるもののように、動いたのです。
怪奇四十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
この神祕ありて、
其胎
(
そのたい
)
は肉と心との新らしき
生
(
せい
)
を迎ふ。
母
(旧字旧仮名)
/
アダ・ネグリ
(著)
君は再び見ざるべし、われ又
生
(
せい
)
を續くべき 90
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
昏睡
(
こすゐ
)
せる人の無感覚こそやがて
其
(
その
)
「
生
(
せい
)
」なれ。
失楽
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
みじかい
生
(
せい
)
の花粉のさかづきをのみほすのか。
藍色の蟇
(新字旧仮名)
/
大手拓次
(著)
彼等を
生
(
せい
)
の力に
溢
(
あふ
)
れさせねばならない。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
生
(
せい
)
にはあはれ死の
衣
(
ころも
)
、死にはよ
生
(
せい
)
の
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
『
生
(
せい
)
』はなほも光をすひぬ。
秋 なげかひ
(新字旧仮名)
/
漢那浪笛
(著)
芯折れた鉛筆
生
(
せい
)
を秘めてゐる
鶴彬全川柳
(新字旧仮名)
/
鶴彬
(著)
火ぞ燃ゆる—
生
(
せい
)
のあくがれ。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
生
(
せい
)
しののめの草いろの火を
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
人死を
待
(
まつ
)
て
生
(
せい
)
たはいなし
芭蕉について
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
生
(
せい
)
の
力
(
ちから
)
の
仕業
(
しわざ
)
なる。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
従ってその人の歌と聞けば読まぬ内からはや
善
(
よ
)
きものと定め居るなどありうちのことにて
生
(
せい
)
も昔はその仲間の一人に候いき。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
まだ
生
(
せい
)
の力を失わないイナゴは、後足をはってしきりにのがれようとする。しかし放してやっても再びみずから草にとりつく力はないらしかった。
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
矢印の示すところには赤鉛筆で、
傍線
(
ぼうせん
)
のついている記事があった。表題は、「無線と雑音の研究」とあり、「
大磯
(
おおいそ
)
HS
生
(
せい
)
」という人が書いているのだった。
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
剣鬼左膳の片手から
生
(
せい
)
あるごとく躍動する怪刀濡れ燕の刃にかかって……いまごろは、三つの死骸が飛び石のように、夜の町にころがっているに相違ない。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
太郎
(
たろう
)
が、
小学校
(
しょうがっこう
)
の四
年
(
ねん
)
生
(
せい
)
になった
年
(
とし
)
の
夏
(
なつ
)
の
初
(
はじ
)
めでありました。どこの
家
(
うち
)
にもつばめが
帰
(
かえ
)
ってきました。どうしたことか
独
(
ひと
)
り
太郎
(
たろう
)
の
家
(
うち
)
にはつばめがきませんでした。
つばめの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
“生”を含む語句
生活
先生
生長
畜生
平生
生々
蘇生
生死
衆生
生業
生暖
根生
生命
生存
存生
生出
後生
生温
生計
生身
...