所以せい)” の例文
「煎豆」「紅梅焼」「雷おこし」の繁栄の、むかしをいまにするよしもなくなったのは、ひとえに「時代」の好みのそれだけ曲折に富んで来た所以せいである。
雷門以北 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
その室は、光琳こうりん風の襖絵のある十畳間で、左手の南向きだけが、縁になっていた。その所以せいでもあろうか。午後になって陽の向きが変って来ると、室の四隅からは、はやかげりが始まって来る。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)