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斉
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せい
ふりがな文庫
“
斉
(
せい
)” の例文
旧字:
齊
いや、谷将軍のすがたに向って、婦人たちは一
斉
(
せい
)
に両手をつかえていたから、鶴子夫人も良人の中佐へ
眸
(
ひとみ
)
を上げていられなかった。
日本名婦伝:谷干城夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
孔子は十二君に歴事したりといい、孟子が
斉
(
せい
)
の
宣王
(
せんおう
)
に用いられずして梁の恵王を
干
(
おか
)
すも、君に
仕
(
つか
)
うること容易なるものなり。
徳育如何
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
子華
(
しか
)
が先師の使者として
斉
(
せい
)
に行った。彼の友人の
冉
(
ぜん
)
先生が、留守居の母のために飯米を先師に乞うた。先師はいわれた。——
現代訳論語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
ちょうど大都会の夜に電燈が一
斉
(
せい
)
にともると同じように、暗い魂の中に永遠の炎が燃えたつ決定的な瞬間が、人生にはある。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
太公望呂尚は、
斉
(
せい
)
に
封
(
ほう
)
ぜられて、人民に生業のみちを教えたので、海辺の人々が、そこの利益の多い生活を慕って、斉の国にやってきたのです。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
▼ もっと見る
二人斃された一ツ橋家の武士ども、太刀を構えたまま
後退
(
あとじさ
)
り、次第次第に下がったが、岩角まで行くと背中を見せ、一
斉
(
せい
)
に岩蔭へ引いてしまった。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と
扉
(
ドア
)
を叩くような物音がした。三人の男は、サッと顔色をかえると、一
斉
(
せい
)
に入口の扉の方にふりむいたのだった。
恐しき通夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
心持
(
こゝろもち
)
余程
(
よほど
)
の
大蛇
(
だいじや
)
と
思
(
おも
)
つた、三
尺
(
じやく
)
、四
尺
(
しやく
)
、五
尺
(
しやく
)
、四
方
(
はう
)
、一
丈
(
ぢやう
)
余
(
よ
)
、
段々
(
だん/″\
)
と
草
(
くさ
)
の
動
(
うご
)
くのが
広
(
ひろ
)
がつて、
傍
(
かたへ
)
の
谷
(
たに
)
へ一
文字
(
もんじ
)
に
颯
(
さツ
)
と
靡
(
なび
)
いた、
果
(
はて
)
は
峯
(
みね
)
も
山
(
やま
)
も一
斉
(
せい
)
に
揺
(
ゆる
)
いだ
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
燕
(
えん
)
王、
周
(
しゅう
)
王、
斉
(
せい
)
王、
湘
(
しょう
)
王、
代
(
だい
)
王、
岷
(
みん
)
王等、秘信相通じ、密使
互
(
たがい
)
に動き、穏やかならぬ流言ありて、
朝
(
ちょう
)
に聞えたり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
衛
(
えい
)
の霊公の三十九年と云う年の秋に、太子
蒯聵
(
かいがい
)
が父の命を受けて
斉
(
せい
)
に使したことがある。
途
(
みち
)
に宋の国を過ぎた時、畑に耕す農夫共が妙な唄を歌うのを聞いた。
盈虚
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「私の先祖が
斉
(
せい
)
にいたものですから、斉を姓としてるのですよ。私の幼な名は
阿霞
(
あか
)
といいますの。」
阿霞
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
けさの新聞を待ちかねて手に取れば、宇都宮の新聞は一
斉
(
せい
)
に筆をそろえて今度の事件を詳細に報道したり。八時頃お冬さんをたずねると、まだなんにも知らない様子なり。
慈悲心鳥
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『
過去
(
かこ
)
のことを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
すものは、
両眼
(
りょうがん
)
を
抉
(
くじ
)
ってしまいましょう。リュバフキン!』と、
彼
(
かれ
)
は
大声
(
おおごえ
)
で
誰
(
たれ
)
かを
呼
(
よ
)
ぶ。
郵便局
(
ゆうびんきょく
)
の
役員
(
やくいん
)
も、
来合
(
きあ
)
わしていた
人々
(
ひとびと
)
も、一
斉
(
せい
)
に
吃驚
(
びっくり
)
する。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
万章問いて曰く、或るひと
謂
(
い
)
う、孔子
衛
(
えい
)
に於ては
癰疽
(
ようそ
)
を
主
(
やど
)
とし、
斉
(
せい
)
に於ては
侍人
(
じじん
)
瘠環
(
せきかん
)
を
主
(
やど
)
とせりと、これ有りしや。孟子曰く、否、然らざるなり、事を好む者これを
為
(
つく
)
れるなり。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
には鉄棒から
逆
(
さかさ
)
にぶらさがつたり、人の
丈
(
たけ
)
より高い
棚
(
たな
)
の上から
飛下
(
とびお
)
りるやうな事は、いかに
軍曹上
(
ぐんさうあが
)
りの教師から
強
(
し
)
ひられても
全級
(
ぜんきふ
)
の生徒から一
斉
(
せい
)
に笑はれても
到底
(
たうてい
)
出来得
(
できう
)
べきことではない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
人々は、ぱったり議論をやめて、一
斉
(
せい
)
にその紳士を見つめました。
ジェンナー伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
カラスどもは一
斉
(
せい
)
に三階の窓をのぞいている
死の淵より
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
一
斉
(
せい
)
の
叫喚
(
けうくわん
)
——うつつ
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あのころの
魯
(
ろ
)
だの
斉
(
せい
)
だのという国には、血をながす
喧嘩
(
けんか
)
もやみ、泥棒も消え、
奴隷
(
どれい
)
もいず、うそつきもいなくなったのなら、はなしは分かる。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わしも難をさけて
斉
(
せい
)
に行ったが、途中、ある山の麓の墓場で、一人の婦人がさめざめと泣いているのに出遭ったのじゃ。
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
残酷の
豎儒
(
じゅじゅ
)
となし、諸王は太祖の遺体なり、
孝康
(
こうこう
)
の
手足
(
しゅそく
)
なりとなし、
之
(
これ
)
を待つことの厚からずして、周王
湘
(
しょう
)
王
代
(
だい
)
王
斉
(
せい
)
王をして不幸ならしめたるは、朝廷の
為
(
ため
)
に計る者の
過
(
あやまち
)
にして
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
魯の
叔孫豹
(
しゅくそんひょう
)
がまだ若かった頃、乱を避けて一時
斉
(
せい
)
に
奔
(
はし
)
ったことがある。
途
(
みち
)
に魯の北境
庚宗
(
こうそう
)
の地で一美婦を見た。
俄
(
にわ
)
かに
懇
(
ねんご
)
ろとなり、一夜を共に過して、さて翌朝別れて斉に入った。
牛人
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
往古
(
いにしへ
)
に富める人は、
四〇
天の時をはかり、地の利を
察
(
あきら
)
めて、おのづからなる
富貴
(
ふうき
)
を得るなり。
四一
呂望
(
りよぼう
)
、
斉
(
せい
)
に
封
(
ほう
)
ぜられて民に
産業
(
なりはひ
)
を教ふれば、
海方
(
うなべ
)
の人利に走りて
四二
ここに
来朝
(
きむか
)
ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
秦
(
しん
)
の哀公が会を設けて、覇を図る処があつて、
斉
(
せい
)
国の
夜明珠
(
やめいしゆ
)
、
魯
(
ろ
)
国の雌雄剣、
晋
(
しん
)
国の
水晶簾
(
すゐしやうれん
)
などとならぶ中に、子胥先生、
我
(
わが
)
楚国
以
(
もつ
)
て宝とするなし、唯善を以て宝とすとタンカを切つて
いろ扱ひ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それから
斉
(
せい
)
や
趙
(
ちょう
)
に遊んだ。
岷山の隠士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
むかし
斉
(
せい
)
の
田横
(
でんおう
)
は、一処士の身にありながら、漢の高祖にも降らず、ついに節操を守って自害しました。いわんやわが劉予州は、王室の宗親。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
斉
(
せい
)
が一飛躍したら魯のようになれるし、魯が一飛躍したら真の道義国家になれるのだが。」
現代訳論語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
開封府
(
かいほうふ
)
に居らしめ、第六子
楨
(
てい
)
を
楚
(
そ
)
王とし、
武昌
(
ぶしょう
)
に居らしめ、第七子
榑
(
ふ
)
を
斉
(
せい
)
王とし、
青州府
(
せいしゅうふ
)
に居らしめ、第八子
梓
(
し
)
を封じて
潭
(
たん
)
王とし、
長沙
(
ちょうさ
)
に
居
(
お
)
き、第九子
杞
(
き
)
を
趙
(
ちょう
)
王とせしが、
此
(
こ
)
は三歳にして
殤
(
しょう
)
し
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
美食家の
斉
(
せい
)
の
桓公
(
かんこう
)
が己のいまだ味わったことのない
珍味
(
ちんみ
)
を求めた時、
厨宰
(
ちゅうさい
)
の
易牙
(
えきが
)
は己が
息子
(
むすこ
)
を
蒸焼
(
むしやき
)
にしてこれをすすめた。十六
歳
(
さい
)
の少年、
秦
(
しん
)
の始皇帝は父が死んだその晩に、父の
愛妾
(
あいしょう
)
を三度
襲
(
おそ
)
うた。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
黄河
(
こうが
)
の上流にあたり、
渭水
(
いすい
)
の下流に位置し、
旧
(
ふる
)
き
呉
(
ご
)
や
楚
(
そ
)
の国と隣りあい、遠くは
斉
(
せい
)
と
魯
(
ろ
)
の境につらなる水陸の要衝だった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
みんなの視線が一
斉
(
せい
)
に次郎の顔に集まった。次郎はこの家に来てから、何かにつけ、みんなに見つめられるのが、何よりも嫌だったが、この時ばかりは、全く別の感じがした。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「関羽は春秋も読んでいよう。
斉
(
せい
)
の景公は、諸侯の身で、
東郭
(
とうかく
)
の野人に会うため、五度も尋ねているではないか」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
斉
(
せい
)
の
桓公
(
かんこう
)
が公子
糾
(
きゅう
)
を殺した時、
召忽
(
しょうこつ
)
は公子糾に殉じて自殺しましたのに、
管仲
(
かんちゅう
)
は生き永らえて却って桓公の政をたすけました。こういう人は仁者とはいえないのではありますまいか。」
現代訳論語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
楽毅は春秋戦国の世に、
燕
(
えん
)
の
昭王
(
しょうおう
)
をたすけて、五国の兵馬を指揮し、
斉
(
せい
)
の七十余城を陥したという武人。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三人は一
斉
(
せい
)
にその方に眼をやった。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
四隣の
晋
(
しん
)
も
楚
(
そ
)
も
斉
(
せい
)
もいちどに起って、呉の領土を分け
奪
(
ど
)
りにし、呉はついに亡んだ。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、博労たちは、賭博の
紛争
(
もつれ
)
に血ばしった眼を、一
斉
(
せい
)
に伊織の小さい姿へ移した。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、上目越しの顔が、一
斉
(
せい
)
にうごいた。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
歩みて
斉
(
せい
)
の城門を
出
(
い
)
づ
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人々の眸も一
斉
(
せい
)
に
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
斉
常用漢字
中学
部首:⽂
8画
“斉”を含む語句
一斉
均斉
斉眉
家斉
斉彬
斉泰
斉王
斉明
島津斉彬
新斉諧
斉広
叔斉
斉昭
伯夷叔斉
相斉
徳川家斉
斉藤
斉東野人
斉襄
斉政
...