所爲せい)” の例文
新字:所為
あいちやんはたゞちにれが扇子せんすつて所爲せいだとことつていそいで其扇子そのせんすてました、あだかちゞむのをまつたおそれるものゝごとく。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
誰に罪があるのでもないが、子供の時に甘やかされた心の殘つてる所爲せいか、何か洩らさずにはゐられぬ不快のある時、母をいぢめるのが何時からとなく私の癖になつた。
不穏 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
しないへかへつていくらかあたゝまつたがそれでも一にちえた所爲せいかぞく/\するのがまなかつた。さうしてのち近所きんじよ風呂ふろもらつてゆつくりあつたまつたら心持こゝろもちなほるだらうとおもつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
頭の所爲せい天氣てんき加減かげんか、何時もは随分ずゐぶんよくかたる二人も、今日けふは些ツともはなしはづまぬ。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)