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燕邸
然れども帝黙然たること
良久しくして曰く、
卿休せよと。三月に至って燕王国に
還る。
都御史暴昭、
燕邸の事を密偵して奏するあり。
燕王の心胸もとより清からず、道衍の
瓜甲も毒ありというべし。道衍
燕邸に至るに及んで
袁珙を王に薦む。袁珙は
字は
廷玉、
鄞の人にして、
此亦一種の異人なり。
建文元年正月、燕王
長史葛誠をして入って事を奏せしむ。
誠、帝の
為に
具に
燕邸の実を告ぐ。こゝに
於て誠を
遣りて燕に
還らしめ、内応を
為さしむ。燕王
覚って之に備うるあり。