“痩立”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やせだ50.0%
やせだち50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
少し痩立やせだちの淋しい姿ですが、目鼻立ちも端麗に、如何にも聰明さうで、道樂者の半次郎には、幾らか煙たがれると言つた樣子があります。
シヅには目もくれず、サト子にそう言いながら、壁ぎわに積みあげた椅子やテーブルを見ると、ここではじまることを察したらしく、痩立やせだちのみえる頬のあたりに、人の悪い微笑をうかべた。
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
細身ほそみ造りの大小、羽織はかまの盛装に、意気な何時いつもの着流しよりもぐっとせいの高く見える痩立やせだち身体からだあやういまでに前の方にかがまっていた。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
白い肩掛を引掛ひっかけたせいのすらりとした痩立やせだちの姿は、うなじの長い目鼻立のあざやかな色白の細面ほそおもて相俟あいまって、いかにもさびし気に沈着おちついた様子である。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)