“痩肉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やせじし63.6%
そうにく9.1%
やせぎす9.1%
やせじゝ9.1%
やせにく9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
当年十六歳にしては、少し幼く見える、痩肉やせじしの小娘である。しかしこれはちとのおくする気色けしきもなしに、一部始終の陳述をした。
最後の一句 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
骨太なわりには、痩肉そうにくの方である。あぎとのつよい線や、長すぎるほど長い眉毛だの、大きな鼻梁びりょうが、どこかのんびり間のびしているところなど、これは西の顔でもなし、京顔でもない。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奥坐舗の長手の火鉢ひばちかたわらに年配四十恰好がっこう年増としま、些し痩肉やせぎすで色が浅黒いが、小股こまた切上きりあがッた、垢抜あかぬけのした、何処ともでんぼうはだの、すがれてもまだ見所のある花。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
この痩肉やせじゝの、色の蒼白い喜助の樣子を見るに、いかにも神妙に、いかにもおとなしく、自分をば公儀の役人として敬つて、何事につけても逆はぬやうにしてゐる。
高瀬舟 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
なるほど、これは肥え太った美肉とは言えないが、骨附きの痩肉やせにくではあるが、肉は肉に相違ない。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)