“やせぎす”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
痩躯14.3%
痩削14.3%
痩型14.3%
痩繊14.3%
痩肉14.3%
痩身14.3%
痩骨14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ジュウジュウと音を立てて暗くなって来た、私はその音に不図ふと何心なにごころなく眼が覚めて、一寸ちょいと寝返りをして横を見ると、アッ吃驚びっくりした、自分の枕許まくらもとに、痩躯やせぎすひざ台洋燈だいランプわきに出して
女の膝 (新字新仮名) / 小山内薫(著)
苦しみながらに眼を無理にみはって、女の顔を見てやろうとしたが、矢張やっぱり召縮緬めしちりめん痩躯やせぎすひざと、紫の帯とが見ゆるばかりで、如何どうしても頭が枕から上らないから、それから上は何にも解らない
女の膝 (新字新仮名) / 小山内薫(著)
すらりとした痩削やせぎすな細君はやがてきまりがわるさうにして、ビスケツトを入れた菓子器などをそこに運んで来た。
モウタアの輪 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
せいはスラリとして痩型やせぎすの色の白い、張りのいい細目の男らしい、鼻の高い、私の眼からもれとするような、ねたましいほどの美男子であった。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
すると、三十近くの痩繊やせぎすの、目の鋭い無愛相なかみさんがかまちぎわへ立ってきて、まず私の姿をジロジロ眺めたものだ。そうして懐手をしたまま
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
奥坐舗の長手の火鉢ひばちかたわらに年配四十恰好がっこう年増としま、些し痩肉やせぎすで色が浅黒いが、小股こまた切上きりあがッた、垢抜あかぬけのした、何処ともでんぼうはだの、すがれてもまだ見所のある花。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
紳士の前に痩身やせぎすの骨の引き締った三十前後の男が茶縞ちゃじまの背広に脚袢きゃはんという身軽な装束いでたちで突き立ったまま眼を光らしている。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
僕は暫し目をみはりて、いぶかしげに我を見居たるが、さてはあの痩骨やせぎすを尋ね給ふか、檀那は別に御用ありての事なるべければ、案内あないしまゐらせん、されどこれも歸らんは一時間の後なるべし