モウタアの音がけたゝましくあたりにひゞいて聞えたので、仕度をして待つてゐた二人はそのまゝ裏の石垣になつてゐるところへと出て行つた。外洋の波の高く颺つてゐるのはそれと指さゝれたけれども、港の内は静かで、昨夜遅く入つて来たらしい二本マストの小さ …
| 著者 | 田山録弥 |
| 著者 | 田山花袋 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
| 初出 | 「サンデー毎日 第四巻第四十三号」1925(大正14)年10月1日 |
| 文字種別 | 新字旧仮名 |
| 読書目安時間 | 約10分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約17分(300文字/分) |