“脚袢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きゃはん69.2%
きやはん30.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紺の脚袢きゃはんがまはばきは、ゲートルに、草鞋わらじは、ネイルドブーツに、背負梯子しょいなは、ルックサックに、羚羊の着皮は、レーンコートに移り変る。
案内人風景 (新字新仮名) / 百瀬慎太郎黒部溯郎(著)
紳士の前に痩身やせぎすの骨の引き締った三十前後の男が茶縞ちゃじまの背広に脚袢きゃはんという身軽な装束いでたちで突き立ったまま眼を光らしている。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
海向ひの村へ通ふ渡船は、四五人の客を乘せてゐたが、四角な荷物を脊負うた草靴わらぢ脚袢きやはん商人あきんどが驅けて來て飛び乘ると、頬被りした船頭は水棹みさをで岸を突いて船をすべらせた。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
谷底へついて見ると紐のちぎれさうな脚袢きやはんを穿いた若者が炭竈すみがまの側でかしの大きなほたくさびを打ち込んで割つて居るのであつた。お秋さんが背負子しよひこといふもので榾を背負つてれた谷の窪みを降りて來た。
炭焼のむすめ (旧字旧仮名) / 長塚節(著)