“細鱗”の読み方と例文
読み方割合
さいりん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
てん和尚の学語編がくごへんにはさけの字を出されたり、はあさぢとよむ也。もろこし字書じしよにはは大口細鱗さいりんとあれば鮏にるゐせるならん。字彙じゐにはせいせいの本字にて魚臭なまぐさしといふ字也といへり。
色は一刷毛ひとはけ紺青こんじょうを平らに流したる所々に、しろかねの細鱗さいりんを畳んでこまやかに動いている。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「飛ばせ」とシーワルドはウィリアムを顧みて云う。並ぶくつわの間から鼻嵐が立って、二つの甲が、月下におど細鱗さいりんの如く秋の日を射返す。「飛ばせ」とシーワルドがかかとを半ば馬の太腹に蹴込む。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)