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いのち
ふりがな文庫
“
生
(
いのち
)” の例文
腰
(
こし
)
もあらはの
梣
(
とねりこ
)
よ、
草叢
(
くさむら
)
から
生
(
は
)
へた汚れた夢のやうだ。
生
(
いのち
)
の無い影の
中
(
なか
)
に咲きたいといふ
狂氣
(
きちがひ
)
の
百合
(
ゆり
)
のやうでもある。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
そのほのかな温かみが——私自身の
生
(
いのち
)
の温かみのようなものが——子供の私にもなぜとも知れずに
愉
(
たの
)
しかった。……
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
空間の中に
生
(
いのち
)
があるのではなくして、
生
(
いのち
)
の中に空間が涵ることを意味する。物理的空間は生命の空間の影となる。
芸術の人間学的考察
(新字新仮名)
/
中井正一
(著)
子
(
こ
)
をおもふ
此
(
こ
)
の
尊
(
たふと
)
い
親心
(
おやごゝろ
)
!
親
(
おや
)
にとつて
子
(
こ
)
ほどのものがありませうか。
子
(
こ
)
どもは
生
(
いのち
)
の
種子
(
たね
)
であり、
子
(
こ
)
どもは
地
(
ち
)
を
嗣
(
つ
)
ぐものであり、
子
(
こ
)
どもは
天
(
てん
)
の
使
(
つかひ
)
であり。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
ほとんど芸術を持たなかった野蛮人が、たちまちにして
生
(
いのち
)
にあふれた芸術品の持ち主となったのだから。
偶像崇拝の心理
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
▼ もっと見る
私だっていつかは死ななければならないんだから、
晩
(
おそ
)
かれ早かれあのオーリャのように、魂や永遠の
生
(
いのち
)
のことを考えなければならないのね。オーリャは今では救われたのだわ。
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ここに死が
生
(
いのち
)
に克つにあらず、
生
(
いのち
)
が死を
破
(
は
)
するものにして、死は到底
生
(
いのち
)
にはむかふ力なし。
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
涙は流れ、笑は
溢
(
こぼ
)
れ、
生
(
いのち
)
の同じ
律
(
りつ
)
に
上
(
の
)
つて、底知れぬ
淵穴
(
ふちあな
)
へ
共々
(
とも/″\
)
落込んで了ふのである。
落葉
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
どれがどこからが罪の
生
(
いのち
)
のさせるわざだということをはっきり知ることができないのですけれど、自分の手で子供をそだて、周囲の子供たちをも公平な眼をもってみている人の親には
おさなご
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
きれぎれにみてゐた君の詩がまとまつて一册となり、どつしりした重みで日光の中へでる時、まことの
生
(
いのち
)
の糧に餓ゑてゐる人達のよろこびはどんなであらうぞ! それが目に見えるやうだ。
風は草木にささやいた:02 跋
(旧字旧仮名)
/
土田杏村
(著)
東京に居ても、田舎に居ても、何処までも
旅
(
たび
)
の人、宿れる人、見物人なのである。然しながら生年百に満たぬ
人
(
ひと
)
の
生
(
いのち
)
の六年は、決して短い月日では無い。儂は其六年を已に村に過して居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
石原に来り
黙
(
もだ
)
せばわが
生
(
いのち
)
石のうへ過ぎし雲のかげにひとし
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
あなたによつて私の
生
(
いのち
)
は複雑になり 豊富になります
智恵子抄
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
その人の
生
(
いのち
)
が乾いてゆく匂ひであつた。
女中
(新字旧仮名)
/
石川善助
(著)
嗚呼
(
ああ
)
、
想界
(
さうかい
)
に
新
(
あらた
)
なる
生
(
いのち
)
を
享
(
う
)
くる人もまた
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
激しい、
生
(
いのち
)
の戦場だ。
モスクワ日記から:新しい社会の母
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
常世
(
とこよ
)
の
生
(
いのち
)
の
常世
(
とこよ
)
のざざんざ、
傷
(
いた
)
ましい松の木よ、おまへの歎は甲斐が無い、いくらおまへが
死
(
しに
)
たくても、宇宙の
律
(
おきて
)
が許すまい、獨ぼつちで生きてゆくのさ、おまへを
厭
(
いや
)
がる森の
中
(
なか
)
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
あたかも丁度私の幼年時代もまたその木と同じく、殆ど花らしいものを人目につかせずに、しかもこうやっていつか私に
愉
(
たの
)
しい
生
(
いのち
)
の果実を
育
(
はぐ
)
くんでいてくれているとでも云うように……
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
人の
生
(
いのち
)
も大いなる自然物である。よい
種子
(
たね
)
をまいてよく育てたら、法則にしたがって時も
違
(
たが
)
えず美しく伸びてゆくはずである。しかし
古往今来
(
こおうこんらい
)
、本当にわが子を立派に育てた親が幾人あるだろう。
最も楽しい事業
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
色と光と形、そうして私の心を充たす豊かな「
生
(
いのち
)
」。——またたとえば一人の青年が二人の老人を前に置いて、眼を光らせ、口のあたりの筋肉を痙攣させながら怒号する。老人はおどおどしている。
「自然」を深めよ
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
空間の中に
生
(
いのち
)
があるのではなくして、生の中に空間があるのである。
生きている空間:――映画空間論への序曲
(新字新仮名)
/
中井正一
(著)
さてもわれは今
童兒
(
どうじ
)
にあらず、
生
(
いのち
)
の
央
(
なか
)
に在りて、事理分別を辨へ
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
みづからの
生
(
いのち
)
愛
(
を
)
しまむ日を経つつ
川上
(
かはかみ
)
がはに月照りにけり
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
この愛の中で穀物の
種子
(
たね
)
のやうな強き
生
(
いのち
)
をとりかへせ
風は草木にささやいた:01 風は草木にささやいた
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
時ぞともなく
暗
(
くら
)
うなる
生
(
いのち
)
の
扃
(
とぼそ
)
、——
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
はるかにわれらの
生
(
いのち
)
を
讃
(
ほ
)
めたたへる
智恵子抄
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
彼女らの
生
(
いのち
)
のはげしかつた一瞬のいつまでも赫きを失せないでゐる事、常にわれわれの生はわれわれの運命より以上のものである事、——「風立ちぬ」以來私に課せられてゐる一つの主題の發展が
七つの手紙:或女友達に
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
はじめてほかの
生
(
いのち
)
をも愛し重んずることができるものだと思います。
親子の愛の完成
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
傷ましい木よ、
常世
(
とこよ
)
の
生
(
いのち
)
の
常世
(
とこよ
)
のざざんざ。わたしの悲しい心の
悦
(
よろこび
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
草むらのかなしき花よわれ病みし
生
(
いのち
)
やしなふ山の草むら
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
生
(
いのち
)
を
産
(
う
)
みて、神を仰ぎ見る時は、
永生
(
えいせい
)
を生ずればなり。
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
大地が地上に押しだした
生
(
いのち
)
の子ども
風は草木にささやいた:01 風は草木にささやいた
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
私の
生
(
いのち
)
を根から見てくれるのは
智恵子抄
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
かくも
生
(
いのち
)
はさびしいものか
風は草木にささやいた:01 風は草木にささやいた
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
それが親々の
生
(
いのち
)
を通して
今、生まれしみどり児
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
生
(
いのち
)
。そして一切。
聖三稜玻璃:02 聖三稜玻璃
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
“生”を含む語句
生活
先生
生長
畜生
平生
生々
蘇生
生死
衆生
生業
生暖
根生
生命
生存
存生
生出
後生
生温
生計
生身
...