“梣”の読み方と例文
読み方割合
とねりこ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こしもあらはのとねりこよ、草叢くさむらからへた汚れた夢のやうだ。いのちの無い影のなかに咲きたいといふ狂氣きちがひ百合ゆりのやうでもある。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
その頭上にはとねりこかしが、半かけの月光や星の光を、枝葉の隙からわずかこぼし、野葡萄のぶどう木賊とくさ蕁麻いらくさすすきで、おどろをなしている地面の諸所へ、銀色の斑紋を織っていた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
どちらを見ても、緑と花ばかりになつた。大きな骸骨のやうな楡やとねりこや樫なども、堂々と、いかめしい生活を恢復した。森林地には、木がその奧底から躍動してをつた。