寿じゆ)” の例文
旧字:
「声名他日当如此、持贈清香梅一枝」は、霞亭が餞別の詩の末二句である。冢はさきに霞亭がために梅を書幌しよくわうに画いた大塚寿じゆである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
代助は洋燈ランプの前にある封筒を、猶つくづくとながめた。ふる寿じゆ命が又一ヶ月びた。おそかれ早かれ、自己を新たにする必要のある代助には、あによめの志は難有いにもせよ、却つて毒になるばかりであつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
堂に書幌しよくわうが垂れてある。恒心社同人の贈る所で、「冢不騫写大梅、韓君聯玉題詩其上」と云つてある。冢不騫ちようふけん、名は寿じゆ、大塚氏、不騫は其あざな、信濃国奈賀郡なかごほり駒場駅こまばえきの人である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)