)” の例文
「悪くすると、またみんなっちまうだけだ。それよりそう慾張よくばらないで、銀行へでも預けて置いて相当の利子を取る方が安全だがな」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「——その上この十日ばかり、張って張って張りまくったそうだから、三文博奕ばくちにしても、五両や十両はっているそうですよ」
いつでも持って来ただけの金はここでってしまう春作なのである。これから、火の気もない家へ帰って、一枚ずり彩絵いろえ読本よみほん挿絵さしえを描く気にもなれないのであろう。
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「人間があまり好過ぎるもんですから、つい人にだまされてみんなっちまうんです。とても取れる見込のないのにむやみに金を出してやったりなんかするもんですからな」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)