“書損”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しよそん42.9%
かきそこな28.6%
かきそこ14.3%
かきそん14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かう云ひながら宇津木うつぎはゆつくり起きて、机にもたれたが、宿墨しゆくぼくに筆をひたして、有り合せた美濃紙みのがみ二枚に、一字の書損しよそんもなく腹藁ふくかうの文章を書いた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
書損かきそこなって消したというよりは、正の字を二に改めたのが太くなったという方が、事柄としてまとまっているであろう。そこに元禄の句と明治の句との相違があるといえばいえる。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
ようやく硯箱を取寄せて、かみふでらせましても、お照は紙の上に涙をぽろ/\こぼしますから、墨がにじみ幾度も書損かきそこない、よう/\重二郎の云う儘に書終り、封を固く致しました。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
聞いてみると、野田家の息子は、父鋤雲氏の歿後、さかんに遊蕩ゆうとうしたらしいのである。何でも長持のなかには、武蔵が書損かきそんじた画稿の反古が、元結でたばねてあったりしたものだそうである。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)