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しよそん
かう云ひながら
宇津木はゆつくり起きて、机に
靠れたが、
宿墨に筆を
浸して、有り合せた
美濃紙二枚に、一字の
書損もなく
腹藁の文章を書いた。
凍雲とりあへず「
萩のすだれを
巻あぐる月」此時のはせをが
肉筆二枚ありて一枚は
書損と覚しく
淡墨をもつて
一抹の
痕あり、二枚ともに
昌庵主の家につたへしを
凍雲とりあへず「
萩のすだれを
巻あぐる月」此時のはせをが
肉筆二枚ありて一枚は
書損と覚しく
淡墨をもつて
一抹の
痕あり、二枚ともに
昌庵主の家につたへしを
后に本
書は同所の
親族三崎屋吉兵衛の家につたへ、
書損のは同所五智如来の寺にのこれり。
后に本
書は同所の
親族三崎屋吉兵衛の家につたへ、
書損のは同所五智如来の寺にのこれり。