“度重”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たびかさ76.7%
たびかさな23.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家がそんな摸様もやうになつてゐて、そこへ重立おもだつた門人共の寄り合つて、けるまで還らぬことが、此頃次第に度重たびかさなつて来てゐる。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
そしていつとなく青木さん夫婦ふうふは、かつてはゆめにも想像さうざうしなかつた質屋しちや暖廉のれんくぐりさへ度重たびかさねずにはゐられなくなつてしまつた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
是非もなく旧句をおもいいだしてせめふさぐことも、やがて度重たびかさなるにつれ、過ぎにし年月、下町のかなたこなたに佗住わびずまいして、朝夕の湯帰りに見てすぎし町のさま
自選 荷風百句 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
それが毎日のように度重たびかさなると段々だんだん判然はっきり見える。姿見のない処に、自分の顔が映るようで、向うが影か、自分が影か、何とも言えない心細い、さびしい気がしたのだそうです。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)