トップ
>
度重
>
たびかさ
ふりがな文庫
“
度重
(
たびかさ
)” の例文
家がそんな
摸様
(
もやう
)
になつてゐて、そこへ
重立
(
おもだ
)
つた門人共の寄り合つて、
夜
(
よ
)
の
更
(
ふ
)
けるまで還らぬことが、此頃次第に
度重
(
たびかさ
)
なつて来てゐる。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
そしていつとなく青木さん
夫婦
(
ふうふ
)
は、かつては
夢
(
ゆめ
)
にも
想像
(
さうざう
)
しなかつた
質屋
(
しちや
)
の
暖廉
(
のれん
)
くぐりさへ
度重
(
たびかさ
)
ねずにはゐられなくなつてしまつた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
最初
(
さいしょ
)
の
間
(
あいだ
)
は
二人
(
ふたり
)
とも
半信半疑
(
はんしんはんぎ
)
であったものの、それが三
度
(
ど
)
五
度
(
ど
)
と
度重
(
たびかさ
)
なるに
連
(
つ
)
れて、
漸
(
ようや
)
くこれではならぬと
気
(
き
)
がついて、しばらくすると
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ことわるのは面白いからではなく、
止
(
や
)
むを得ないからで、この止むを得ない事が、
度重
(
たびかさ
)
なっておきのどくなのでその結果今日やって来ました。
おはなし
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
などいう風に自分の意見を吹き込むので、
度重
(
たびかさ
)
なれば、未亡人は
利溌
(
りはつ
)
な人であっても、やっぱりその気になって、政吉の意見に従おうとする。
幕末維新懐古談:30 身を引いた時のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
がらくたといっても、
度重
(
たびかさ
)
なる移動のためにあんな風になったので、彼女が結婚する時まだ生きていた母親がみたててくれた記念の品であった。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
良人との衝突も
度重
(
たびかさ
)
なって
洋燈
(
らんぷ
)
を投げつけるやら
刃物三昧
(
はものざんまい
)
などまでがもちあがった。とうとう無事に納まらなくなってしまった。その間に彼女は卒業した。
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
度重
(
たびかさ
)
なる夜々の冒険が、僕の心をひき緊めたのでもあろうか。それともいまだ経験したこともない盗賊のような振舞に、自ずと胆が据わってきたのでもあろうか。
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
憑
(
つ
)
かれたもののやうに、眼を一杯に見開いて突然彼女の腕を逃れようと身もだえすることも
度重
(
たびかさ
)
なつた。
青いポアン
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
そして、会うことが
度重
(
たびかさ
)
なる程、彼女のこの静かなる親愛の情は、濃やかになって行くかと思われた。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
おせんちゃんはおいらのお
上
(
かみ
)
さんだよと、
度重
(
たびかさ
)
なる
文句
(
もんく
)
はいつか
遊
(
あそ
)
び
仲間
(
なかま
)
に
知
(
し
)
れ
渡
(
わた
)
って、
自分
(
じぶん
)
の
口
(
くち
)
からいわずとも、
二人
(
ふたり
)
は
真
(
す
)
ぐさま
夫婦
(
ふうふ
)
にならべられるのが
却
(
かえっ
)
てきまり
悪
(
わる
)
く
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
予は植物の方に潜心して返事せぬ事多きに屈せず、
阿漕
(
あこぎ
)
が浦の
度重
(
たびかさ
)
なりてそんな眼に逢う。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
長椅子
(
ながいす
)
の
上
(
うへ
)
に
横
(
よこ
)
になつた
切
(
き
)
り、
而
(
さう
)
して
齒
(
は
)
を
切
(
くひしば
)
つてゐるのであるが、
其
(
そ
)
れが
段々
(
だん/\
)
度重
(
たびかさ
)
なれば
重
(
かさな
)
る
程
(
ほど
)
、
堪
(
たま
)
らなく、
終
(
つひ
)
には
咽喉
(
のど
)
の
邊
(
あた
)
りまでがむづ/\して
來
(
く
)
るやうな
感
(
かん
)
じがして
來
(
き
)
た。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
これがいわゆる「
小店
(
こみせ
)
」でそれがどこまでも連なり、一種の風情を
醸
(
かも
)
し出します。ですが
度重
(
たびかさ
)
なる大火のために
漸次
(
ぜんじ
)
少くなりました。もっとも小店は弘前ばかりではありません。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
こんな事実が
度重
(
たびかさ
)
なるうちに……吾輩ヤット気が付いたもんだ。君だってここまで聞いて来れば大抵、感付いているだろう。……ウンウン。その通りなんだ。明言したって構わない。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
度重
(
たびかさ
)
なれば、
次第
(
しだい
)
に馴れて、肩の痛みも痛いながらに固まり、肩腰に多少
力
(
ちから
)
が
出来
(
でき
)
、調子がとれてあまり水をこぼさぬ様になる。
今日
(
きょう
)
は八分だ、今日は九分だ、と
成績
(
せいせき
)
の進むが一の
楽
(
たのしみ
)
になる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
または引っ懸ろうとして手を出す
途端
(
とたん
)
にすぽりと
外
(
はず
)
れたりする
反間
(
へま
)
が
度重
(
たびかさ
)
なるに連れて、身体よりも頭の方がだんだん云う事を聞かなくなって来た。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そんなことが
度重
(
たびかさ
)
なったせいか、今日などは朝からなんだか胸がムカムカしてたまらないのである。
蠅
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
長椅子
(
ながいす
)
の
上
(
うえ
)
に
横
(
よこ
)
になった
切
(
き
)
り、そうして
歯
(
は
)
を
切
(
くいしば
)
っているのであるが、それが
段々
(
だんだん
)
度重
(
たびかさ
)
なれば
重
(
かさな
)
る
程
(
ほど
)
、
堪
(
たま
)
らなく、
終
(
つい
)
には
咽喉
(
のど
)
の
辺
(
あた
)
りまでがむずむずして
来
(
く
)
るような
感
(
かん
)
じがして
来
(
き
)
た。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
谷多き地を旅するに駱駝谷底に
陥
(
お
)
ちて荷物散乱するを防ぐため、谷に遭うごと駱駝の荷を卸し、まず駱駝を次に荷物を渡してまた負わせ、多少行きて谷に逢いてまたかくする事
度重
(
たびかさ
)
ねる内
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
さう
云
(
い
)
ふ
場合
(
ばあひ
)
が
度重
(
たびかさ
)
なるに
連
(
つ
)
れて、
二人
(
ふたり
)
の
間
(
あひだ
)
は
少
(
すこ
)
しづゝ
近寄
(
ちかよ
)
る
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
た。
仕舞
(
しまひ
)
には、
姉
(
ねえ
)
さん
一寸
(
ちよつと
)
こゝを
縫
(
ぬ
)
つて
下
(
くだ
)
さいと、
小六
(
ころく
)
の
方
(
はう
)
から
進
(
すゝ
)
んで、
御米
(
およね
)
に
物
(
もの
)
を
頼
(
たの
)
む
樣
(
やう
)
になつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そう云う場合が
度重
(
たびかさ
)
なるに
連
(
つ
)
れて、二人の間は少しずつ近寄る事ができた。しまいには、姉さんちょっとここを縫って下さいと、小六の方から進んで、御米に物を頼むようになった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
断るのが面白いからではなく、やむをえないからで、このやむをえない事が
度重
(
たびかさ
)
なって御気の毒なので、その結果今日やって来ました。言わば
根
(
こん
)
くらべで
根
(
こん
)
がつきて出て来たようなしまつであります。
無題
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
度
常用漢字
小3
部首:⼴
9画
重
常用漢字
小3
部首:⾥
9画
“度”で始まる語句
度
度々
度毎
度胆
度胸
度外
度目
度度
度肝
度盛