)” の例文
旧字:
吾人われら皆望を君に属せり、而して君は吾人をてゝ去れり。予は文壇に於て最も多く君に攻撃せられたり、私交に於て最も多く君に親しまれたり。
北村透谷君 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
曰く、犂牛りぎゅうあかくして且つ角よくば、用うることからんと欲すといえども、山川其れこれてんやと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
子、顔淵にかたって曰く、用いらるれば則ちすすみ、てらるれば則ちかくるとは、唯我となんじとのみこれあるかな。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「よし、行こう。漢陽に行こう。連れて行ってくれ。逝者ゆくものかくの如きかな、昼夜をてず。」てれ隠しに、はなはだ唐突な詩句をしょうして、あははは、と自らをあざけった。
竹青 (新字新仮名) / 太宰治(著)
六閑堂は甚質素にして閑雅かんがの趣があった。佐藤一斎の記に、「黝堊ゆうあくテ、麤埴そしょくヲ用ヒ彫琢ちょうたくヲ去ツテ素樸そぼくニ従フ。ソノ清迥閑曠せいけいかんこうノ趣、一ニ山人逸士ノ棲止スル所ニ類ス。」
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
時は昼夜ちゅうやてず流れる。過去のない時代はない。——諸君誤解してはなりません。吾人は無論過去を有している。しかしその過去は老耄ろうもうした過去か、幼稚な過去である。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夏、帝白龍庵に病みたもう。史彬しひん程亨ていこう郭節かくせつたま/\至る。三人留まる久しくして、帝これをりたまい、今後再びきたなかれ、我安居あんきょす、心づかいすなとおおす。帝白龍庵をてたもう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
さても凡夫の浅猿あさましさ、しかし恥を知らずと、「孔子いわく、志士仁人は身を殺して仁を為す有り」とか、「孟子いわく、生をてて義を取る者なり」とかいいて、見台けんだいを叩いて大声する儒者もある。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
子顔渕に謂いて曰く、之を用うるときは則ち行い、之をつるときは則ち蔵す。ただ我と爾と是れあるかなと。子路曰く、子三軍をらば、即ち誰と与にせんかと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
然レドモ長短二百余篇、固ヨリ皆連城ノ明珠ナリ。目コレガタメニ奪ハル。イヅレヲカ取リイヅレヲカテン。アルイハ恐ル、ソノ硃批しゅひスル所尊意ニタザル者アランコトヲ。あえテ謝ス敢テ謝ス。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)