“彫琢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちょうたく83.3%
てうたく16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
色鍋島の絢爛けんらん艶美えんび彫琢ちょうたくと若々しい光彩のみなぎった名品が、この老いほうけた久米一の指から生れて、他の若い細工人さいくにんの手からは作り得なかった。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
杜甫とほの詩は、彫琢ちょうたくのみのあとが覗えるけれども、一方には思い切って、背を向けて立ち去る者の、あの爽やかさがある。
二十歳のエチュード (新字新仮名) / 原口統三(著)
彼等は彫琢てうたくしたる巧句を得べし、然れども妖魅せられざる前の巧句は人工なり、いづくんぞ神霊に動かされたる天工の奇句を咏出する事を得んや。
松島に於て芭蕉翁を読む (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
まだ充分に彫琢てうたくせねばならないのであるが、兎に角腹案の樂劇「すみだ川」の歌謠だけを書き終つた。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)