“鬆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
57.1%
ゆる42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この火加減ひかげんがむずかしいものでお湯がグラグラ沸立にえたつとプデンへが出来ますから弱火とろびで気長に四十分間位湯煮ゆでなければなりません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
青や赤の縞になつたのをこつきり噛み折つて吸つてみるとのなかから甘い風が出る。いちばん好きなのは肉桂棒といふのだつた。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
膝の上までり開きたる短衣は裂けほころび、ゆるく肩に纏へる外套めきたる褐色かちいろの布は垢つきよごれ、長き黒髮をばうなじに束ね、美しき目よりは恐ろしき光を放てり。
お松は夜着の中から滑り出て、ゆるんだ細帯を締め直しながら、梯子段はしごだんの方へ歩き出した。
心中 (新字新仮名) / 森鴎外(著)