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鬆
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ゆる
ふりがな文庫
“
鬆
(
ゆる
)” の例文
膝の上まで
截
(
き
)
り開きたる短衣は裂け
綻
(
ほころ
)
び、
鬆
(
ゆる
)
く肩に纏へる外套めきたる
褐色
(
かちいろ
)
の布は垢つきよごれ、長き黒髮をば
項
(
うなじ
)
に束ね、美しき目よりは恐ろしき光を放てり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
お松は夜着の中から滑り出て、
鬆
(
ゆる
)
んだ細帯を締め直しながら、
梯子段
(
はしごだん
)
の方へ歩き出した。
心中
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
室内
(
へやぬち
)
には一小卓を安んじ、上に十字架を立てたるが、
燈
(
ともしび
)
をばその前に點せるなり。二人の小娘は
衣
(
きぬ
)
を
脱
(
はづ
)
して、白き
汗衫
(
はだぎ
)
を
鬆
(
ゆる
)
やかに身に
纏
(
まと
)
ひ、卓の下に跪きて讚美歌を歌へり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
主公はこれを見て興に
入
(
い
)
った。筍の周囲の土は、
予
(
あらかじ
)
め掘り起して、
鬆
(
ゆる
)
めた
後
(
のち
)
にまた
掻
(
か
)
き寄せてあったそうである。それでも芸人らは
容易
(
たやす
)
く抜くことを得なかった。
家苞
(
いえづと
)
には筍を多く賜わった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
この岸は土
鬆
(
ゆる
)
ければ、踏むに從ひて
頽
(
くづ
)
るることありといへり。そが上、岸近きところには水牛あまたあり。こは猛き獸にて、怒るときは人を殺すと聞く。されど我はこの獸を見ることを好めり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
“鬆”の解説
鬆(す)とは、本来は均質であるべきものの中にできた空間をいう。
(出典:Wikipedia)
鬆
漢検1級
部首:⾽
18画
“鬆”を含む語句
粗鬆
鬆開
輕鬆
鬆土