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輕鬆
おつぎは
勘次が
起した
塊を一つ/\に
萬能の
脊で
叩いてさらりと
解して
平にならして
居る。
輕鬆な
土から
凝集つて
居た
塊は
解せば
直に
吹き
拂はれた。
吹くだけ
吹かねば
止められない
其の
特性を
發揮して
毎日其の
特有な
力が
輕鬆な
土を
空に
捲いた。
卯平は
少し
開いた
戸口から
其の
小さく
蹙めた
目で
外を
見た。
狹い
庭の
先に
紙捻を
植ゑたやうな
桑畑の
乾燥しきつた
輕鬆な
土が
黄褐色な
霧の
中へ
吹つ
立つて
行くのが
見える。