“額越”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひたいご36.8%
ひたひごし21.1%
ひたいごし15.8%
ひたひご15.8%
ひたえごし5.3%
ひたえご5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いませんか……」と眼八が、ダメを押して額越ひたいごしに相手を見つめた。ひょいと、その眼光りが変ったのを自分でも気がついて
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
世間話を二つ三つしたが、油井は「は、は。」と謹んで挨拶して、煙草ばかり吹いて居る。妹は勿論一言も云はぬ。額越ひたひごしに兄の気色をうかゞつて見る。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
真中まんなかに、とがった銀杏返いちょうがえしで胸を突出しながら、額越ひたいごしじっとこちらをたのは、昨日きのうのお久という人で、その両傍りょうわきから躍り出した二人の少年が
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
與吉よきちはそれでもくぼんだしがめて卯平うへいがまだこそつぱくてゆびさき下唇したくちびるくちなかむやうにしながら額越ひたひごしに卯平うへいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
紳士は俄然がぜん大口をいて肩を揺ッてハッハッと笑い出し、丸髷の夫人も口頭くちもとしわを寄せて笑い出し、束髪の令嬢もまた莞爾にっこり笑いかけて、急に袖で口をおおい、額越ひたえごしに昇の貌を眺めて眼元で笑った。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
かと思うとフト口をつぐんで真面目まじめに成ッて、憶出おもいだしたように額越ひたえごしに文三の顔をながめて、笑うでも無く笑わぬでもなく、不思議そうな剣呑けんのんそうな奇々妙々な顔色がんしょくをする。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)