額越ひたひご)” の例文
與吉よきちはそれでもくぼんだしがめて卯平うへいがまだこそつぱくてゆびさき下唇したくちびるくちなかむやうにしながら額越ひたひごしに卯平うへいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
若い與力笹野新三郎の屋敷に呼出された平次は、敷居の外から額越ひたひごしにかう見上げました。
ひそかに/\眉へ唾をつけながら、額越ひたひごしに其姿をうかゞへば、眉といひ、目といひ、口元といひ、詫びつくしやつれつくしたるありさま、かねて吾心に畫いたる圓位のおんひじりなり。
山家ものがたり (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)