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過
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す
ふりがな文庫
“
過
(
す
)” の例文
東の
仙人峠
(
せんにんとうげ
)
から、
遠野
(
とおの
)
を通り
土沢
(
つちざわ
)
を
過
(
す
)
ぎ、北上山地を
横截
(
よこぎ
)
って来る
冷
(
つめ
)
たい
猿ヶ石
(
さるがいし
)
川の、北上川への
落合
(
おちあい
)
から、少し
下流
(
かりゅう
)
の西岸でした。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
二郎
(
じろう
)
は、そのおじいさんを
見
(
み
)
ていますと、おじいさんは、
二郎
(
じろう
)
のわきへ
近
(
ちか
)
づいて、ゆき
過
(
す
)
ぎようとして
二郎
(
じろう
)
の
頭
(
あたま
)
をなでてくれました。
赤い船のお客
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
姿
(
すがた
)
は
婀娜
(
あだ
)
でもお
妾
(
めかけ
)
ではないから、
團扇
(
うちは
)
で
小間使
(
こまづかひ
)
を
指圖
(
さしづ
)
するやうな
行儀
(
ぎやうぎ
)
でない。「
少
(
すこ
)
し
風
(
かぜ
)
過
(
す
)
ぎる
事
(
こと
)
」と、
自分
(
じぶん
)
でらふそくに
灯
(
ひ
)
を
入
(
い
)
れる。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「石切り場の入口は左のほうだよ。わたしたちは気がつかずに通り
過
(
す
)
ぎてしまったにちがいない。あともどりするほうがいいだろう」
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
僕
(
ぼく
)
思
(
おも
)
ふに、いつたい
僕等
(
ぼくら
)
日本人
(
にほんじん
)
の
麻雀
(
マージヤン
)
の
遊
(
あそ
)
び
方
(
かた
)
は
神經質
(
しんけいしつ
)
過
(
す
)
ぎる。
或
(
あるひ
)
は
末梢的
(
まつせうてき
)
過
(
す
)
ぎる。
勿論
(
もちろん
)
技
(
ぎ
)
を
爭
(
あらそ
)
ひ、
機
(
き
)
を
捉
(
とら
)
へ、
相手
(
あひて
)
を
覘
(
ねら
)
ふ
勝負事
(
しようぶごと
)
だ。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
▼ もっと見る
彼
(
かれ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
は
此
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
くにして
過
(
す
)
ぎ
行
(
ゆ
)
いた。
朝
(
あさ
)
は八
時
(
じ
)
に
起
(
お
)
き、
服
(
ふく
)
を
着換
(
きか
)
へて
茶
(
ちや
)
を
呑
(
の
)
み、
其
(
そ
)
れから
書齋
(
しよさい
)
に
入
(
はひ
)
るか、
或
(
あるひ
)
は
病院
(
びやうゐん
)
に
行
(
ゆ
)
くかである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
さう云ふ
人
(
ひと
)
に
逢
(
あ
)
つて
過
(
す
)
ごす時間が、本当の時間で、穴倉で光線の試験をして
暮
(
くら
)
す
月日
(
つきひ
)
は寧ろ人生に遠い閑生涯と云ふべきものである。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今日
(
こんにち
)
私は
飽
(
あ
)
くまでもこの自然宗教にひたりながら日々を
愉快
(
ゆかい
)
に
過
(
す
)
ごしていて、なんら不平の気持はなく、心はいつも
平々坦々
(
へいへいたんたん
)
である。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
左
(
ひだり
)
へ
折
(
お
)
れたところに
応接室
(
おうせつしつ
)
か
喫煙室
(
きつえんしつ
)
かといふやうな
部屋
(
へや
)
の
窓
(
まど
)
の
戸
(
と
)
が
少
(
すこ
)
しあいてゐて
人影
(
ひとかげ
)
が
差
(
さ
)
してゐたが、そこを
過
(
す
)
ぎると
玄関
(
げんかん
)
があつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
日本人
(
にほんじん
)
が
固有
(
こゆう
)
の
風習
(
ふうしふ
)
を
捨
(
す
)
てゝ
外國
(
ぐわいこく
)
の
慣習
(
くわんしふ
)
にならうは
如何
(
いか
)
にも
外國
(
ぐわいこく
)
に
對
(
たい
)
して
柔順過
(
じうじゆんす
)
ぎるといふ
怪訝
(
けげん
)
の
感
(
かん
)
を
起
(
おこ
)
さしむるに
過
(
す
)
ぎぬと
思
(
おも
)
ふ。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
するとその
晩
(
ばん
)
夜中
(
よなか
)
過
(
す
)
ぎになって、しっかりしめておいたはずのおもての
戸
(
と
)
がひとりでにすうっとあいて、だれかが
入
(
はい
)
って
来
(
き
)
た
様子
(
ようす
)
です。
山姥の話
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
李克
(
りこく
)
曰
(
いは
)
く、『
起
(
き
)
は
貪
(
たん
)
にして
色
(
いろ
)
を
好
(
この
)
む。
然
(
しか
)
れども
兵
(
へい
)
を
用
(
もち
)
ふるは、
司馬穰苴
(
しばじやうしよ
)
も
過
(
す
)
ぐる
能
(
あた
)
はざる
也
(
なり
)
』と。
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
魏
(
ぎ
)
の
文矦
(
ぶんこう
)
以
(
もつ
)
て
將
(
しやう
)
と
爲
(
な
)
す。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
月には
一滴
(
いってき
)
の水もない。だから地球から見ると海のように見えるところも、来てみれば何のことか、それは平原に
過
(
す
)
ぎないのであった。
月世界探険記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「いや、体がわるければ、なおやるよ。実は、将軍家から七日ほど
過
(
す
)
ぎに、わしの剣を御覧になりたいというお達しが参ったからじゃ」
剣の四君子:05 小野忠明
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
品
(
しな
)
は
林
(
はやし
)
を
幾
(
いく
)
つも
過
(
す
)
ぎて
自分
(
じぶん
)
の
村
(
むら
)
へ
急
(
いそ
)
いだが、
疲
(
つか
)
れもしたけれど
懶
(
ものう
)
いやうな
心持
(
こゝろもち
)
がして
幾度
(
いくたび
)
か
路傍
(
みちばた
)
へ
荷
(
に
)
を
卸
(
おろ
)
しては
休
(
やす
)
みつゝ
來
(
き
)
たのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
あっしゃァ
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
という、けちな
職人
(
しょくにん
)
でげすがね。お
前
(
まえ
)
さんの
仕方
(
しかた
)
が、あんまり
情
(
なさけ
)
な
過
(
す
)
ぎるから、
口
(
くち
)
をはさましてもらったのさ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
去
(
さる
)
十三
日
(
にち
)
の
夜
(
よ
)
、
僕
(
ぼく
)
は
獨
(
ひと
)
り
机
(
つくゑ
)
に
倚掛
(
よりかゝ
)
つてぼんやり
考
(
かんが
)
へて
居
(
ゐ
)
た。十
時
(
じ
)
を
過
(
す
)
ぎ
家
(
いへ
)
の
者
(
もの
)
は
寢
(
ね
)
てしまひ、
外
(
そと
)
は
雨
(
あめ
)
がしと/\
降
(
ふ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ゾオラが
偶々
(
たま/\
)
醜悪
(
しうあく
)
のまゝを
写
(
うつ
)
せば
青筋
(
あをすじ
)
出して
不道徳
(
ふだうとく
)
文書
(
ぶんしよ
)
なりと
罵
(
のゝし
)
り
叫
(
わめ
)
く事さりとは
野暮
(
やぼ
)
の
行
(
い
)
き
過
(
す
)
ぎ
余
(
あま
)
りに
業々
(
げふ/\
)
しき
振舞
(
ふるまひ
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
彼はいつものやうに、
暁方
(
あけがた
)
過
(
す
)
ぎからうと/\と重苦しい眠りにはひつて、十時少し前に気色のわるい寝床を出たのであつた。
哀しき父
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
余
(
よ
)
は、
毎電
(
まいでん
)
、
東京毎日
(
とうきやうまいにち
)
、やまと、
日本
(
にほん
)
の
記者
(
きしや
)
と
共
(
とも
)
に、
山越
(
やまごし
)
をして、
駒岡貝塚
(
こまをかかひづか
)
、
末吉貝塚
(
すゑよしかひづか
)
の
遺跡
(
ゐせき
)
を
過
(
す
)
ぎ、
鶴見
(
つるみ
)
に
出
(
で
)
て
歸宅
(
きたく
)
した。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
落
(
ち
)
り
過
(
す
)
ぎたる
紅葉
(
もみぢ
)
に
庭
(
には
)
は
淋
(
さび
)
しけれど、
垣
(
かき
)
の
山茶花
(
さゞんか
)
折
(
をり
)
しり
顏
(
かほ
)
に
匂
(
にほ
)
ひて、
松
(
まつ
)
の
緑
(
みどり
)
のこまやかに、
醉
(
よ
)
ひすゝまぬ
人
(
ひと
)
なき
日
(
ひ
)
なりける。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その
中
(
うち
)
、
空
(
そら
)
が
真暗
(
まっくら
)
くなって、あたりの
山々
(
やまやま
)
が
篠突
(
しのつ
)
くような
猛雨
(
もうう
)
の
為
(
た
)
めに
白
(
しろ
)
く
包
(
つつ
)
まれる……ただそれきりのことに
過
(
す
)
ぎませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
外国人も貿易の一点に
注意
(
ちゅうい
)
することと
為
(
な
)
りたれども、彼等の
見
(
み
)
るところはただこれ一個の
貿易国
(
ぼうえきこく
)
として単にその
利益
(
りえき
)
を利せんとしたるに
過
(
す
)
ぎず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
お前からいふと、
俺
(
おれ
)
が
虚弱
(
きよじやく
)
だからと
謂
(
い
)
ひたからうが、俺からいふとお前が
強壯
(
きやうさう
)
過
(
す
)
ぎると
謂
(
い
)
ひたいね。
併
(
しか
)
し
他一倍
(
ひといちばい
)
喧嘩
(
けんくわ
)
をするから
可
(
い
)
いぢやないか。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
が
今
(
いま
)
の
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
の
小
(
ちひ
)
さいことに
氣
(
き
)
がつくと
共
(
とも
)
に、それが
矢張
(
やつぱり
)
自分
(
じぶん
)
のやうに
滑
(
すべ
)
り
落
(
お
)
ちた一
疋
(
ぴき
)
の
鼠
(
ねずみ
)
に
過
(
す
)
ぎないことを
知
(
し
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
これですっかり
安心
(
あんしん
)
して、
嬉
(
うれ
)
しそうにしているうちに、九
月
(
つき
)
が
過
(
す
)
ぎて、十
月目
(
つきめ
)
になって、
女
(
おんな
)
は
雪
(
ゆき
)
のように
白
(
しろ
)
く、
血
(
ち
)
のように
赤
(
あか
)
い
小児
(
こども
)
を
生
(
う
)
みました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
終夜
(
しうや
)
雨
(
あめ
)
に
湿
(
うるほ
)
ひし為め、水中を
歩
(
あゆ
)
むも
別
(
べつ
)
に意となさず、二十七名の一隊
粛々
(
しゆく/\
)
として
沼
(
ぬま
)
を
渉
(
わた
)
り、
蕭疎
(
しようそ
)
たる
藺草
(
いくさ
)
の間を
過
(
す
)
ぎ、
悠々
(
いう/\
)
たる
鳧鴨
(
ふわう
)
の群を
驚
(
おどろ
)
かす
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
これから
後
(
のち
)
、
室町時代
(
むろまちじだい
)
から
時
(
とき
)
が
過
(
す
)
ぎて
江戸
(
えど
)
の
時代
(
じだい
)
に
至
(
いた
)
るまで、そんなに
勝
(
すぐ
)
れた
歌人
(
かじん
)
は、
多
(
おほ
)
くは
出
(
で
)
てまゐりませんでした。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
部屋を
過
(
す
)
ぎるときもずつと彼女の蔭になつて、その時にはもう
垂布
(
カアテン
)
を下ろしてある例のアアチを通つて、その向うの優雅な奧まつた方へ這入つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
が、その
冬
(
ふゆ
)
が
過
(
す
)
ぎ
去
(
さ
)
ってしまったとき、ある
朝
(
あさ
)
、
子家鴨
(
こあひる
)
は
自分
(
じぶん
)
が
沢地
(
たくち
)
の
蒲
(
がま
)
の
中
(
なか
)
に
倒
(
たお
)
れているのに
気
(
き
)
がついたのでした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
御年
(
おんとし
)
四十にして、
御鬚
(
おんひげ
)
臍
(
へそ
)
を
過
(
す
)
ぎさせたもうに及ばせたまわば、
大宝位
(
たいほうい
)
に登らせたまわんこと
疑
(
うたがい
)
あるべからず、と
白
(
もう
)
す。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
列車は五
間
(
けん
)
過
(
す
)
ぎ——十間過ぎぬ。落つばかりのび上がりて、ふりかえりたる浪子は、武男が狂えるごとくかのハンケチを振りて、何か呼べるを見つ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
わたしは
昨日
(
きのふ
)
の
午
(
ひる
)
少
(
すこ
)
し
過
(
す
)
ぎ、あの
夫婦
(
ふうふ
)
に
出會
(
であ
)
ひました。その
時
(
とき
)
風
(
かぜ
)
の
吹
(
ふ
)
いた
拍子
(
ひやうし
)
に、
牟子
(
むし
)
の
垂絹
(
たれぎぬ
)
が
上
(
あが
)
つたものですから、ちらりと
女
(
をんな
)
の
顏
(
かほ
)
が
見
(
み
)
えたのです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「昨夜は風呂が立たなかつたので、町風呂へ行つたやうでございました。小半刻經つて、
戌刻
(
いつゝ
)
過
(
す
)
ぎになつてから、宜い心持に
茹
(
うだ
)
つて歸つて來ましたが」
銭形平次捕物控:072 買つた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
或る日同じ淵の
辺
(
ほとり
)
を
過
(
す
)
ぎて町へ行くとて、ふと前の事を思い出し、
伴
(
とも
)
なえる者に以前かかることありきと語りしかば、やがてその
噂
(
うわさ
)
は近郷に伝わりぬ。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
給仕
(
きふじ
)
はお
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
りの
紀
(
こつな
)
が
一人
(
ひとり
)
で
引受
(
ひきう
)
けて
辨
(
べん
)
ずるのであるが、それにしても、
今宵
(
こよひ
)
は
何
(
な
)
んだか
寂
(
さび
)
し
過
(
す
)
ぎて、
百物語
(
ひやくものがたり
)
の
夜
(
よ
)
といふやうな
氣
(
き
)
がしてならなかつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ロミオ おゝ、
有難
(
ありがた
)
い、かたじけない、
何
(
なん
)
といふ
嬉
(
うれ
)
しい
夜
(
よる
)
! が、
夜
(
よる
)
ぢゃによって、もしや
夢
(
ゆめ
)
ではないか
知
(
し
)
らぬ。
現
(
うつゝ
)
にしては、
餘
(
あんま
)
り
嬉
(
うれ
)
し
過
(
す
)
ぎて
譃
(
うそ
)
らしい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「なんじゃかんじゃというても、三分の一は
過
(
す
)
ぎたでないか。しんぼう、しんぼう。もうちょっとのしんぼう」
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
新石器時代
(
しんせつきじだい
)
になると
氣候
(
きこう
)
その
他
(
た
)
、
世界
(
せかい
)
の
状態
(
じようたい
)
は
今日
(
こんにち
)
と
餘
(
あま
)
り
變
(
かは
)
つたところなく、たゞ
海岸線
(
かいがんせん
)
が
今
(
いま
)
よりも
陸地
(
りくち
)
に
入
(
い
)
り
込
(
こ
)
んでゐたといふくらゐに
過
(
す
)
ぎないのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
タカを
括
(
くく
)
り
過
(
す
)
ぎて
依怙地
(
えこじ
)
になられては厄介なので、是非なく庄造は
膝頭
(
ひざがしら
)
を揃へ、キチンと
畏
(
かしこ
)
まつてすわり直すと、
前屈
(
まえかが
)
みに、その膝の上へ両手をつきながら
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
しかし
焦
(
こ
)
げ
過
(
す
)
ぎると黒くなって苦くって役に立たん。その色付油の中へ豚の皮ばかり小さく切って
炒
(
い
)
り付けて火から
卸
(
おろ
)
して冷却してからその皮を出してしまう。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
台州
(
たいしう
)
から
天台縣
(
てんだいけん
)
までは六十
里
(
り
)
半
(
はん
)
程
(
ほど
)
である。
日本
(
にほん
)
の六
里
(
り
)
半
(
はん
)
程
(
ほど
)
である。ゆる/\
輿
(
よ
)
を
舁
(
か
)
かせて
來
(
き
)
たので、
縣
(
けん
)
から
役人
(
やくにん
)
の
迎
(
むか
)
へに
出
(
で
)
たのに
逢
(
あ
)
つた
時
(
とき
)
、もう
午
(
ひる
)
を
過
(
す
)
ぎてゐた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
へえゝ
釣堀
(
つりぼり
)
さまとは。小「
何
(
なん
)
だね
釣堀
(
つりぼり
)
だね。梅「
有難
(
ありがた
)
い……
私
(
わたし
)
は二十一
日
(
にち
)
御飯
(
ごぜん
)
を
食
(
た
)
べないので、
腹
(
はら
)
の
空
(
へ
)
つたのが
通
(
とほ
)
り
過
(
す
)
ぎた
位
(
くらゐ
)
なので、小「ぢやア
合乗
(
あひの
)
りで
往
(
ゆ
)
かう。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
恋
(
こ
)
ひ
死
(
し
)
なば
恋
(
こ
)
ひも
死
(
し
)
ねとや
我妹子
(
わぎもこ
)
が
吾家
(
わぎへ
)
の
門
(
かど
)
を
過
(
す
)
ぎて
行
(
ゆ
)
くらむ 〔巻十一・二四〇一〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
地震
(
ぢしん
)
の
起
(
おこ
)
つたのは
當日
(
とうじつ
)
午前十一時十分頃
(
ごぜんじゆういちじじつぷんごろ
)
であり、
郵便局
(
ゆうびんきよく
)
の
隣
(
とな
)
りの
潰家
(
かいか
)
から
發火
(
はつか
)
したのは
正午
(
しようご
)
を
過
(
す
)
ぐる
三十分位
(
さんじつぷんぐらゐ
)
だつたといふから、
地震後
(
ぢしんご
)
凡
(
およ
)
そ
一時間半
(
いちじかんはん
)
を
經過
(
けいか
)
してゐる。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
讀者
(
とくしや
)
余
(
よ
)
が
言
(
げん
)
を
信
(
しん
)
ぜずば罪と罰に
就
(
つ
)
きて、
更
(
さら
)
に
其他
(
そのた
)
の
記事
(
きじ
)
を
精讀
(
せいどく
)
せられよ、
思
(
おも
)
ひ
盖
(
けだ
)
し
半
(
なかば
)
に
過
(
す
)
ぎんか。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
だから
私
(
わたし
)
が
其時
(
そのとき
)
、
日本國民
(
にほんこくみん
)
として
所有
(
しよいう
)
する
物
(
もの
)
は、
只
(
た
)
だ
僅
(
わづ
)
かの
家具
(
かぐ
)
と、
僅
(
わづ
)
かの
本
(
ほん
)
と、
僅
(
わづ
)
かの
衣服類
(
いふくるゐ
)
とに
過
(
す
)
ぎなかつた。そして
僅
(
わづ
)
かに
文筆勞働
(
ぶんぴつらうどう
)
に
依
(
よ
)
つて
衣食
(
いしよく
)
するのであつた。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
そこで、この一町内も
門並
(
かどなみ
)
に杭を打たれてしまふと、その月のお
彼岸
(
ひがん
)
過
(
す
)
ぎ——
廿八
(
にじゅうはち
)
日の晩でした。
赤い杭
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
家のひとたちのあてがうものをこころよく
食
(
く
)
い
飲
(
の
)
みして、なんのこともなく
昨夜
(
さくや
)
まで
過
(
す
)
ごしてきたところ、けさは
何時
(
なんじ
)
になっても起きないから、はじめて
不審
(
ふしん
)
をおこし
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
かっこうはほとゝぎすの
類
(
るい
)
で
𤍠帶
(
ねつたい
)
に
棲
(
す
)
むものですが、
夏
(
なつ
)
になると
北方
(
ほつぽう
)
の
涼
(
すゞ
)
しい
地方
(
ちほう
)
へやつてくるのです。
中
(
なか
)
には
日本
(
につぽん
)
を
通
(
とほ
)
り
過
(
す
)
ぎて、もっと
北
(
きた
)
の
國
(
くに
)
へまで
行
(
ゆ
)
くのもあります。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
過
常用漢字
小5
部首:⾡
12画
“過”を含む語句
過失
通過
過日
過去
過般
看過
経過
行過
過言
過程
過誤
經過
打過
過多
好過
遣過
擦過傷
過激
過不及
正午過
...