“日本國民”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にほんこくみん66.7%
につぽんこくみん33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だから私(わたし)が其時(そのとき)、日本國民(にほんこくみん)として所有(しよいう)する物(もの)は、只(た)だ僅(わづ)かの家具(かぐ)と、僅(わづ)かの本(ほん)と、僅(わづ)かの衣服類(いふくるゐ)とに過(す)ぎなかつた。そして僅(わづ)かに文筆勞働(ぶんぴつらうどう)に依(よ)つて衣食(いしよく)するのであつた。
所(ところ)が、それから十年(ねん)立(た)つて日露戰爭(にちろせんさう)が起(おこ)つた時(とき)、私(わたし)は既(すで)に非戰論者(ひせんろんしや)として×國心(こくしん)を嘲笑(てうせう)してゐた。私(わたし)は日本國民(にほんこくみん)として、日本國土(にほんこくど)の極小(ごくせう)の一部分(ぶぶん)すらも分(わか)ち與(あた)へられて居(ゐ)ない事(こと)を知(し)つてゐた。
その高濱(たかはま)さんの御領分(ごりようぶん)の俳句(はいく)と同樣(どうよう)に、短歌(たんか)といふものは、ほんとうに、日本國民(につぽんこくみん)自身(じしん)が生(う)み出(だ)したもので、とりわけ、きはめて古(ふる)い時代(じだい)に、出來上(できあが)つてゐたものであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)