トップ
>
助
>
す
ふりがな文庫
“
助
(
す
)” の例文
「今日十二時半の汽車ぢや。今、電報が来ただ。えれエ急なこンだで、お
前
(
めえ
)
に
助
(
す
)
けて貰はにや、へえ、庭の掃除が間に合はんで……」
泉
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
助
(
す
)
けて働く面々も、すぐり抜きたる
連中
(
れんじゅう
)
が腕に
縒
(
より
)
否
襷
(
たすき
)
を懸けて、車輪になりて立廻るは、ここ二番目の世話舞台、三階
総出
(
そうで
)
大出来なり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
稲を刈って
助
(
す
)
けるのは、心あっての事ともそうでないとも見られるが、そのそぶりはなんでもないもののする事とは見られない。
隣の嫁
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
原色塗りの低い建物がお互いに
助
(
す
)
けあって並んで、誰かの言った「天刑病市ポウト・サイド」の感じを適切に裏書きしている。
踊る地平線:12 海のモザイク
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
「いゝえ。あなたこそ毎日々々のお
守
(
もり
)
で、本当に大変ですわ。でもあなたが
助
(
す
)
けに来て下さつたので、本当に大助かりよ。」
姉弟と新聞配達
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
▼ もっと見る
台所には、すべてに無器用な婆さんを
助
(
す
)
けに、その娘のお銀という若い女も来て、買物をしたり、お
汁
(
つゆ
)
の加減を見たりした。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
飲むといっても、おつぎに
助
(
す
)
けてもらってせいぜい一本というところだし、それもたいてい三分の一は残るのが例であった。
落葉の隣り
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「おい、豆腐屋。いいところで
面
(
つら
)
を見た。おめえにすこし
助
(
す
)
けて貰いてえことがあるんだが……。おめえは鎌倉河岸の行き倒れを知っているか」
半七捕物帳:17 三河万歳
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
土地から蝋燭代を貰って景気を
助
(
す
)
けに出る
棟梁株
(
あたまかぶ
)
の縁日商人に五種あって、これを小物、三寸、転び、ぼく、
引張
(
ひっぱり
)
とする。
釘抜藤吉捕物覚書:04 槍祭夏の夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
同じ
長家
(
ながや
)
に
居
(
い
)
る重二郎の母を
助
(
す
)
けようと思ったが、
否々
(
いや/\
)
先程又作が箱の中へ入れて隠した書付が、
万一
(
ひょっ
)
として
彼
(
か
)
の三千円の預り証書ではないか
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
三四日
経
(
た
)
った。いつも女の
助
(
す
)
けるのは朝晩の忙がしい時だけで、昼は顔も出さない。考えて見ると、奉公人でないから其筈だが、私は失望した。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
留守宅にはお婆さんと、弘と、女中がわりに
助
(
す
)
けに来た女と、捨吉と、それからポチという黒毛の大きな犬とが残った。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「うん。けづな
爺
(
ぢ
)
んごだもな。
酔
(
よ
)
たぐれでばがり居で、一向仕事
助
(
す
)
けるもさないで。今日も町で飲んでらべぁな。うな
は
(
ハ
)
爺んごに
肖
(
に
)
るやなぃぢゃぃ。」
十月の末
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「いや今日は飲まない。それともおたかさんが半分
助
(
す
)
けてくれるというんなら、そしてついでにお金の方もね。」
球突場の一隅
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
一体その山崎と云う男が外人係と云う格で、外人に関する外交は、引き受けて居たのですが、一人で手が廻りかねるので、時々は私が
助
(
す
)
けて居たのです。
たちあな姫
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「一寸、馴染がある——何うでえ、庄公、一つ、富士春仕込みの、怪しげ節でも、
助
(
す
)
けにやらんけ。割をやらあ」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
「じゃあ、
助
(
す
)
けてちょうだい。……うれしい、飲んでくれたわね。もひとつよ。嫌アん……それを
空
(
あ
)
けてからよ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「エ、久保本、お前が下席を。ああいいともいいとも、そりゃめでたい、
助
(
す
)
けて上げるとも! 安心おし」
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
その本家から僕は今まで学資を半分ずつ
助
(
す
)
けてもらったが、本家の両親は行く行くその娘を僕にくれたいという下心らしい事は僕も先年帰省した時始めて推測した。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「あゝお
駒
(
こ
)
ちやん、あんたの貰たお盃やないしか。一人で飮めんのなら、定はん呼んで來て
助
(
す
)
けてお貰ひやす。」とお時は笑つて、
注
(
つ
)
がれた盃をお駒の前へ戻さうとすると
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ことに彼はこの点においてお延から
軽蔑
(
けいべつ
)
されるのを深く恐れた。堀に依頼して
毎月
(
まいげつ
)
父から
助
(
す
)
けて
貰
(
もら
)
うようにしたのも、実は必要以外にこんな魂胆が潜んでいたからでもあった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
半助 今日は弥造どんが
捕親
(
とりおや
)
だ。そいでお前さん方も
助
(
す
)
けに出たと言うのででも……?
天狗外伝 斬られの仙太
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
「いゝえ、これがもし、若宮君
直接
(
じか
)
の話で、『矢の倉』のまえにもちゃんと持出せる話なら喜んであたしァ加勢する。——一年でも二年でもちゃんと暇をもらって
助
(
す
)
けに行く……」
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「ひゃあ、このやつがれ!……」と、はいって来た看視人が喚きたてた、「何たる悪魔が
助
(
す
)
けおったぞな? グリッコやい、イヴァンやい! いそぎ
来
(
こ
)
うよう、抜け出おったがな。」
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
開業する時にも父からは色々
助
(
す
)
けて貰つてゐるんだから。全然ただといふわけにはいかんでせうが……、しかしそれでも無理な時には遠慮なく云つて下さい。僕がいいやうにしますから。
続生活の探求
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
「おらも
助
(
す
)
けてやるぞ、なあ勇吉どん」
田舎風なヒューモレスク
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
今
助
(
す
)
けに來ね。 (歌謠番號一五)
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
「ぢや俺が半分
助
(
す
)
けて遣るから」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
この
真珠
(
パール
)
の本店が築地の
割烹
(
かっぽう
)
懐石で、そこに、月並に、懇意なものの会がある。客が立込んだ時ここから
選抜
(
えりぬ
)
きで
助
(
す
)
けに来た、その一人である。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
旨
(
うま
)
くないの。これを飲むと
温暖
(
あったか
)
になるんだけれども……。」と、お葉は笑った、「じゃア、
妾
(
あたし
)
が
助
(
す
)
けて上げますよ。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「うん。けづな
爺
(
じ
)
※ごだもな。
酔
(
よ
)
たぐれでばがり居で、一向仕事
助
(
す
)
けるもさないで。今日も町で飲んでらべぁな。うな
は
(
ハ
)
爺※ごに
肖
(
に
)
るやなぃじゃぃ。」
十月の末
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
なにも、家の暮しを
助
(
す
)
けさせるわけぢやなし、やりたいつてことを一度はやらせてみるつもりだよ。あたしは。
道遠からん 四幕:――または 海女の女王はかうして選ばれた――
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
まだ太郎の家のほうは毎月三十円ずつ
助
(
す
)
けているし、太郎の家で使っている婆さんの給金も私のほうから払っているし、三郎が郊外に自炊生活を始めてからは
分配
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
本郷の道場へ
助
(
す
)
け
太刀
(
だち
)
に頼まれていって、意外にも柳生の若様と斬り結んだり、それが後では、その源三郎といっしょになって不知火流の門弟を斬りまくったり……。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
まだ
脂
(
やに
)
っこいこの自分に
真打
(
とり
)
をとらせてくれる以上は、せめて師匠くらいのところを
助
(
す
)
けさせなければ看板
面
(
づら
)
花やかに客が呼べないものとおもっているくらいのことは
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
半助 今日は弥造どんが
捕親
(
とりおや
)
だ。そいでお前さん方も
助
(
す
)
けに出たというのででも……?
斬られの仙太
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
それでもこの女の時々
助
(
す
)
けに来るということは、そんなに厭わしいことでもなかった。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
弾くそうだし、ほかになにかやれる者があったら
助
(
す
)
けてもらいたいが、どうだろう
ちくしょう谷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「——小者っ、こっちだっ、こっちへ
助
(
す
)
けに来いっ」
咽
(
む
)
せながら、呼んでいる。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お湯から買物に回ッて……そしてネ
自家
(
じぶん
)
もモウ好加減に酔てる癖に、私が飲めないと云うとネ、
助
(
す
)
けて
遣
(
や
)
るッてガブガブそれこそ
牛飲
(
ぎゅういん
)
したもんだから、
究竟
(
しまい
)
にはグデングデンに酔てしまッて」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
うそだうそだ。そらおとよさんはおれがあんまり稲刈りが弱いから、ないしょで
助
(
す
)
けてくれたには相違ないけど、そりゃおとよさんの親切だよ。何も惚れたのどうのってい事はありゃしない。ばか
満
(
まん
)
め何を
隣の嫁
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
昔は江戸から川崎の大師河原まで五里半とかいうので、日帰りにすれば十里以上、女は勿論、足の弱い人たちは途中を幾らか駕籠に
助
(
す
)
けて貰わなければなりません。
半七捕物帳:51 大森の鶏
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あの磯屋の旦那の五兵衛さんて人に見込まれてねえ、ちょっと
助
(
す
)
けに行ってあげているんだよ
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
見つつ松崎が思うまで、来れや、来れ……と言った
差配
(
おおや
)
の言葉は、怪しいまで陰に響いて、幕の膨らんだにつけても、誰か、大人が居て、蔭で声を
助
(
す
)
けたらしく聞えたのであった。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「虔十、あそごは杉植※でも
成長
(
おが
)
らなぃ
処
(
ところ
)
だ。それより少し田でも打って
助
(
す
)
けろ。」
虔十公園林
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
いくらかの時間を
助
(
す
)
けに来て頂くことにしたんです……それに、君、吾々の塾も中学の設備をして、認可でも受けようというには、肩書のある人が居ないと
一寸
(
ちょっと
)
これで都合が悪いからネ
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「私先生のところへ来て、家事のお
助
(
す
)
けしたいと思うんですけどどう?」
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
昇が酒を
強
(
し
)
いた、飲めぬと云ッたら
助
(
す
)
けた、何でも無い事。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「虔十、あそごは杉植ぇでも
成長
(
おが
)
らなぃ
処
(
ところ
)
だ。それより少し田でも打って
助
(
す
)
けろ。」
虔十公園林
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
祖父江出羽守
(
そふえでわのかみ
)
の
狩猟地
(
かりち
)
だった田万里は、殺生を好む出羽守のたびたびの
巻狩
(
まきが
)
りと、そのたびごとの徴発、一戸一人の
助
(
す
)
け人足、荷にあまる
苛斂誅求
(
かれんちゅうきゅう
)
のために、ついに村全体たってゆけなくなり
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
助
常用漢字
小3
部首:⼒
7画
“助”を含む語句
助力
助手
扶助
救助
補助
助言
助長
手助
幇助
援助
助人
冥助
福助
助勢
百助
助役
源之助
多助
氏助
祐助
...