十月の末じゅうがつのすえ
嘉ッコは、小さなわらぢをはいて、赤いげんこを二つ顔の前にそろへて、ふっふっと息をふきかけながら、土間から外へ飛び出しました。外はつめたくて明るくて、そしてしんとしてゐます。 嘉ッコのお母さんは、大きなけらを着て、縄を肩にかけて、そのあとから …
題名が同じ作品
十月の末 (新字新仮名)宮沢賢治 (著)