)” の例文
筋の多いふかしいも、麦飯の結塊むすび、腹のいた時には、富家の子をだまして、銭を盗み出させて、二十銭の銅貨に駄菓子だがしを山ほど買って食った。
ネギ一束 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
この一年程以前からあの傳造のさいの目の出が急にわるくなつて、瞬く間に財産の大半をばつてしまつたとかいふことで
古い村 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
私の願は親の口から今一度、薄着して風邪をお引きでない、お腹がいたら御飯にしようかと、詰らん、くだらん、意味の無い事を聞きたいのだが……
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
○「おなかがいて家へ帰る電車がなかなか来ないときだけ、ちょっとセンチになるわよ。」
現代若き女性気質集 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「お父さん、少し食べないと、夜またおなかきますぞ。」と恭三はすゝめた。
恭三の父 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
腹がいた、銭が欲しいという現実界に比べれば、はるかに美しいように見える。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)