)” の例文
べて斯様いうもので、親切は却ってあだとなり、助けは却って障りとなって、正基は愈々いよいよ妻を疎み、妻は愈々夫を恨み、無言の冷眼と嫉妬しっとのひぞり言とは、日に戦ったが
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一鴉鳴き過ぎて、何心ぞ、我を攪破かうはする。たちまち悟る人間十年の事、べて非なるを。指を屈すれば友輩幾個白骨に化し、壮歳久しく停まらざらんとす。く者は逐ふ可からず。来る者は未だ頼み難し。
客居偶録 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
併し新しい自己が造れぬと定まつて居るのでは無いから、多くの人が新しい自己を造らんとして努力しても造れぬからと云つて、べての人が新しい自己を造り得ぬとは限らぬ。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
べての奇異な談は大概浅人妄人無学者好奇者が何か一寸した事を語り歪めるから起るもので、語り歪めの大好物な人は現在そこらに沢山転がっている至っておやすいしろ物であるから
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
べて踏み外し無く全氣で仕事が出來れば、それこそ實に大したものであるが、然樣は行かぬまでも、机の前に坐つたり、六ツかしい問題を考へる時ばかりを修行と思はずに、一擧手一投足
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
程途ていと何ぞたゞ一万里のみならん、戸口べて無し三百家。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)