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為
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す
ふりがな文庫
“
為
(
す
)” の例文
旧字:
爲
読んでゐるなんて、とんでもない話だ、
為
(
す
)
る事は後から/\と、いくらでもありますつて坊やそうお云ひ。あんまりお呑気がすぎますよ
惑ひ
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
『前後の思慮もなく、御在庫の現金を、みな払い出すのが、殿のお心をもて
為
(
す
)
る事だなどとは、頭が、ちと何うかして居られはせぬか』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幸作は自分の席から、不平らしい番頭の後姿を見送って、「
為
(
す
)
るだけのことを為れば、それで可いじゃないか」という眼付をした。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
このくらい静かに物事を
為
(
す
)
るのが法だとか云った。口を
利
(
き
)
かず、音を立てないのは、考えの邪魔になると云う精神からだそうであった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『あの
人
(
ひと
)
にはあの
人
(
ひと
)
としての
仕事
(
しごと
)
があり、めいめい
為
(
す
)
ることが
異
(
ちが
)
います。
良人
(
おっと
)
を
招
(
よ
)
ぶのは
海辺
(
うみべ
)
の
修行場
(
しゅぎょうば
)
へ
移
(
うつ
)
ってからのことじゃ……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
「
最早
(
もう
)
死んだかも知れない」と誰かが気の無い返事を
為
(
す
)
る。「全くあの男ほど気の毒な人はないよ」と老人は例の哀れっぽい声。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
学校でするが好いという意見もある。とにかく
為
(
す
)
るが好い、出来ると決している。教える時期は
固
(
もと
)
より物心が附いてからである。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そうしてこれが解からぬ内は、何をしても張り合いがないような気がして、誰に何と云われても何も
為
(
す
)
る気になりませんでした。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
実
(
げ
)
に顔の色は
躬
(
みづから
)
も
凄
(
すご
)
しと見るまでに変れるを、庭の内をば
幾周
(
いくめぐり
)
して我はこの色を隠さんと
為
(
す
)
らんと、彼は
心陰
(
こころひそか
)
に
己
(
おのれ
)
を
嘲
(
あざけ
)
るなりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
堪へ
難
(
がた
)
い不快にも、余り眠かつたから手で払ふことも
為
(
せ
)
ず、顔を横にすると、蠅は
辷
(
すべ
)
つて、頬の
辺
(
あたり
)
を下から上へ
攀
(
よ
)
ぢむと
為
(
す
)
る。
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
土地
(
とち
)
が狭いだけに反響が早い、
為
(
す
)
る事成す事直ぐ目に付く。私が編輯の方針を改めてから、間もなく「日報」の評判が急によくなつて来た。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
一時は腸に収まつて居ても、又何かの拍子で
忽地
(
たちまち
)
元に復して了ふので、いくら可愛想に思つても、
何
(
ど
)
う
為
(
す
)
る事も出来なかつた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
その金を銀行に預けて
如何
(
どう
)
すれば便利だと
云
(
い
)
うことを知るまい事か、百も承知で心に
知
(
しっ
)
て居ながら、手で
為
(
す
)
ることが出来ない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
私は何でも内所のいうなりにお成りとは言わないよ、海上さんの身請が
否
(
いや
)
なら、否のようにまた
為
(
す
)
る仕方もあるだろうからね
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
一寸
(
ちょっと
)
首を傾げた。これが何を聞く時でも雪江さんの
為
(
す
)
る癖で、
看慣
(
みな
)
れては居るけれど、私は
常
(
いつ
)
も可愛らしいと思う。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
拙者は拙者だけの成敗、
為
(
す
)
るだけの事は為る。廻国中の話の種。黒姫山の裾野にて、若衆の叩き払い致して遣わすぞ
怪異黒姫おろし
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
須貝 君、オレンヂ・ジュースにウイスキーを入れたりするのは婦人の
為
(
す
)
ることだ。止したまえ。酒なら灘の生一本、これがいい。それからウイスキー。
華々しき一族
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
「ハ、夜中に長い電報が参りましたので、印刷が大層遅くなりました——先生、
到頭
(
たうとう
)
戦争を
為
(
す
)
るのでせうか——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
名物に
甘
(
うま
)
き物ありて、
空腹
(
すきはら
)
に
須原
(
すはら
)
のとろゝ汁殊の
外
(
ほか
)
妙なるに
飯
(
めし
)
幾杯か滑り込ませたる
身体
(
からだ
)
を
此尽
(
このまま
)
寝さするも毒とは思えど
為
(
す
)
る事なく、道中日記
注
(
つ
)
け
終
(
しま
)
いて
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そんなことを
為
(
す
)
る奴もあるが、俺の方ではチャンと見張りしていて、そんな奴あ
放
(
ほう
)
り出してしまうんだ。それにそう
無暗
(
むやみ
)
に連れて来るって訳でもないんだ。
淫売婦
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
ナオミは
為
(
す
)
る事成す事が
活溌
(
かっぱつ
)
の域を通り越して、乱暴過ぎます。口の
利
(
き
)
き方もつんけんしていて女としての優しみに欠け、ややともすると下品になります。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
彼が
不得要領
(
ふとくようりょう
)
の
申立
(
もうしたて
)
をすれば
為
(
す
)
るほど、
疑惑
(
うたがい
)
の眼はいよいよ彼の上に
注
(
そそ
)
がれて、係官は厳重に
取調
(
とりしらべ
)
を続行した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
どうで幾代もの恨みを
背負
(
せおう
)
て出た私なれば
為
(
す
)
るだけの事はしなければ死んでも死なれぬのであらう、情ないとても
誰
(
た
)
れも哀れと思ふてくれる人はあるまじく
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お前が想像していた事はみな
幻影
(
まぼろし
)
だ——死んだ人の訪れて来た事の外は。で、一度死んだ人の云う事を聴いた上は、身をその
為
(
す
)
るがままに任したというものだ。
耳無芳一の話
(新字新仮名)
/
小泉八雲
(著)
遂々
(
とうとう
)
塾は廃止になり佐藤は全くの浪人となった。で、百姓家の二階を借り、
為
(
す
)
ることもなく日を暮らした。
国事犯の行方:―破獄の志士赤井景韶―
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
其身
(
そのみ
)
が世の
名利
(
みやうり
)
に
拘
(
かゝ
)
はらねばなり、
此日
(
このひ
)
見
(
み
)
るもの
皆
(
みな
)
嬉
(
うれ
)
しく、人の
為
(
す
)
る
業
(
わざ
)
を
有難
(
ありがた
)
く
思
(
おも
)
ひしは、朝の心の
快濶
(
くわいくわつ
)
なりしうつりか、
其
(
その
)
飛々
(
とび/\
)
の
独
(
ひとり
)
笑
(
ゑ
)
み
隅田
(
すみだ
)
の
春光
(
しゆんくわう
)
今日
(
けふ
)
新
(
あたら
)
し。
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
「我が国家
開闢
(
かいびやく
)
より
以来
(
このかた
)
、君臣の分定まりぬ。臣を以て君と
為
(
す
)
ること
未
(
いま
)
だ
之
(
こ
)
れ
有
(
あ
)
らざるなり。
天
(
あま
)
ツ日嗣は必ず皇緒を立てよ。無道の人は宜しく早く
掃除
(
はらひのぞ
)
くべし。」
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
併し
代々
(
だい/″\
)
学者で
法談
(
はふだん
)
の
上手
(
じやうず
)
な
和上
(
わじやう
)
が来て住職に成り、
年
(
とし
)
に
何度
(
なんど
)
か諸国を巡回して、法談で
蓄
(
た
)
めた
布施
(
ふせ
)
を持帰つては、其れで
生活
(
くらし
)
を立て、
御堂
(
みだう
)
や
庫裡
(
くり
)
の普請をも
為
(
す
)
る。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
「だって
為
(
す
)
るにも事欠いて唄うたいなんですからね。」と言いながら、軽く思い上ったような調子で
幻影の都市
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
世帯崩
(
しょたいくず
)
しの
年増女
(
としまおんな
)
を勝手元に働かせて、独身で暮している川西のために、時々上さんの
為
(
す
)
るような家事向の用事に、器用ではないが、しかし
活溌
(
かっぱつ
)
な働き振を見せていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
左伝
(
さでん
)
に平地尺に
盈
(
みつる
)
を大雪と
為
(
す
)
と見えたるは
其
(
その
)
国暖地なればなり。唐の
韓愈
(
かんゆ
)
が雪を豊年の
嘉瑞
(
かずい
)
といひしも暖国の論なり。されど
唐土
(
もろこし
)
にも寒国は八月雪
降
(
ふる
)
事
五雑俎
(
ござっそ
)
に見えたり。
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
帰って何を
為
(
す
)
るのか分からぬが、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
田舎住居をしようと思って帰って来た。先輩の牧師に其事を話したら、玉川の附近に教会の伝道地がある、
往
(
い
)
ったら如何だと云う。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
消極的に出ることは自己以外の威力に強制されて
為
(
す
)
るので、独立自由の人格の好まない
所
(
ところ
)
、甘んじない
所
(
ところ
)
、止むを得ざること、
謂
(
い
)
わば恐迫され
強
(
しい
)
られて
為
(
す
)
る如きものである。
デモクラシーの要素
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
おばこ昼寝したば(したれば)若いかりゆめ(猟師)が来て小槍つん出したね、コバエテ/\、かりゆめ何を
為
(
す
)
る、かりゆめは熊を突くしよべゑ(商売)だもの、コバエテ/\。
春雪の出羽路の三日
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
直
(
すぐ
)
に家人は
勿論
(
もちろん
)
、門弟一同に深く注意を与えて、
前
(
ぜん
)
以
(
もっ
)
て
種々
(
いろいろ
)
予防を
為
(
す
)
る、幸いそれで何も起らない場合もあるが、多くは
何処
(
どこ
)
か眼の届かなかった
処
(
ところ
)
とか、
如何
(
どう
)
しても避けられぬ事
頭上の響
(新字新仮名)
/
北村四海
(著)
左伝に(隠公八年)
平地
(
へいち
)
尺
(
しやく
)
に
盈
(
みつる
)
を大雪と
為
(
す
)
と
見
(
み
)
えたるは
其国
(
そのくに
)
暖地
(
だんち
)
なれば也。
唐
(
たう
)
の
韓愈
(
かんゆ
)
が雪を
豊年
(
ほうねん
)
の
嘉瑞
(
かずゐ
)
といひしも
暖国
(
だんこく
)
の
論
(
ろん
)
也。されど
唐土
(
もろこし
)
にも寒国は八月雪
降
(
ふる
)
事
五雑組
(
ござつそ
)
に見えたり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
同じ
画家
(
ゑかき
)
仲間の
某
(
なにがし
)
がどんな
婦人
(
をんな
)
でもたつた十ヶ月で
為
(
す
)
る仕事を、
画家
(
ゑかき
)
ともいはれるものが物の十三年も
懸
(
かゝ
)
つて、
漸
(
やつ
)
と仕上げるなんて、そんな
間抜
(
まぬけ
)
な事があるものかと、
厳
(
きつ
)
い抗議を申込んだのが
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
みんなが大根を
味噌
(
みそ
)
で煮たり、鮭の卵の汁などを
拵
(
こしら
)
へて食べてゐるのに、父はただ飯に白砂糖をかけて食べることなどもあつた。併し僕には何のために父がそんな真似を
為
(
す
)
るかが分からなかつた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
みづからは隙なく君を恋ふる間に老いてし髪と誇りも
為
(
す
)
べき
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「
何
(
なに
)
為
(
す
)
ぁ、ひとの傘ぶっかして。」
風野又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
長命
(
ながいき
)
や
為
(
す
)
まいぞ地獄の夕焼。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
出来ないことを
為
(
す
)
る。
智恵子抄
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
為
(
す
)
る丈の事を
為
(
し
)
たら
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
自分の学ぶこと、
為
(
す
)
ること、考えることは父と何の交渉があるだろう、もしあの父が生きながらえていたらどんなことに成ったろうと。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
宮は
毫
(
いささ
)
かもこれも
咎
(
とが
)
めず、出づるも
入
(
い
)
るも唯彼の
為
(
な
)
すに任せて、あだかも旅館の
主
(
あるじ
)
の
為
(
す
)
らんやうに、
形
(
かた
)
ばかりの送迎を怠らざると
謂
(
い
)
ふのみ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
又「お前は
嘸
(
さぞ
)
怖かったで有ろうのう、
斯様
(
かよう
)
な奴を助けて置くと村方を騒がして
何
(
ど
)
の
様
(
よう
)
なる事を
為
(
す
)
るかも知れぬから、土地の助けに殺したのだ」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わし
)
が
拵
(
こさ
)
へものと
思
(
おも
)
ひながら、
不気味
(
ぶきみ
)
がつて、
何
(
なに
)
か
魔
(
ま
)
の
人
(
ひと
)
が
仕掛
(
しか
)
けて
置
(
お
)
く、
囮
(
おとり
)
のやうに
間違
(
まちが
)
へての。
谿河
(
たにがは
)
を
流
(
なが
)
す
筏
(
いかだ
)
の
端
(
はし
)
へ
鴉
(
からす
)
が
留
(
と
)
まつても
気
(
き
)
に
為
(
す
)
るだよ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
といいながら、
衝
(
つい
)
と
起
(
た
)
ったから、何を
為
(
す
)
るのかと思ったら、ツカツカと私の前へ来て
直
(
ひた
)
と向合った。前髪が
顋
(
あご
)
に触れそうだ。
紛
(
ぷん
)
と
好
(
い
)
い
匂
(
におい
)
が鼻を衝く。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
あとに残った藍丸王は、どっちとも解らず、只その声の
為
(
す
)
る方に迷い迷うて、いつの間にか
只
(
と
)
ある谷の奥深く、真暗な杉の木立の中へ這入って仕舞った。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
すると、不意に、この音も無くしんとした天地を破つて、
銅鑼
(
どら
)
を叩いたなら、かういふ
厭
(
いや
)
な音が
為
(
す
)
るであらうと思はれる間の抜けたしかも急な鐘の乱打の響!
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
為
常用漢字
中学
部首:⽕
9画
“為”を含む語句
所為
行為
何為
為合
無為
御為
徒為
為替
為様
有為
作為
以為
人為
為出
為立
為掛
為難
当為
為事
為方
...