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暖地
これ
余寒の暁に雨のみじかくやみたる
気運の
機工を
得てかゝる
奇景を見たるなりとて、
珍しがりてかたられしが、
暖地にてはめづらしくもあるべけれど
雪吹の人を
殺す事大方右に
類す。
暖地の人花の
散に
比て
美賞する
雪吹と其
異こと、
潮干に
遊びて
楽と
洪濤に
溺て
苦との
如し。雪国の
難義暖地の人おもひはかるべし。
左伝に(隠公八年)
平地尺に
盈を大雪と
為と
見えたるは
其国暖地なれば也。
唐の
韓愈が雪を
豊年の
嘉瑞といひしも
暖国の
論也。されど
唐土にも寒国は八月雪
降事
五雑組に見えたり。