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濟
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す
ふりがな文庫
“
濟
(
す
)” の例文
新字:
済
だが大事に
到
(
いた
)
らず
濟
(
す
)
むことは
確
(
たし
)
かだ、と金太郎は、
速
(
そく
)
度を増してゆく自轉車の上で、
幾
(
き
)
何の問題を解くときのやうに冷
靜
(
せい
)
に
推
(
すい
)
理した。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
『えゝ
只今
(
たゞいま
)
、
足下
(
そくか
)
に
御關係
(
ごくわんけい
)
の
有
(
あ
)
る
事柄
(
ことがら
)
で、
申上
(
まをしあ
)
げたいと
思
(
おも
)
ふのですが。』と、
市役所員
(
しやくしよゐん
)
は
居並
(
ゐなら
)
ぶ
人々
(
ひと/″\
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
が
濟
(
す
)
むと
恁
(
か
)
う
切
(
き
)
り
出
(
だ
)
した。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
可愛相
(
かあいさう
)
にねえ
貴方
(
あなた
)
。
其
(
その
)
書面
(
しよめん
)
によると
亞尼
(
アンニー
)
は、
弦月丸
(
げんげつまる
)
の
沈沒
(
ちんぼつ
)
を
聞
(
き
)
いて、
私共
(
わたくしども
)
に
濟
(
す
)
まぬと
尼
(
あま
)
になつたのですよ。
其
(
その
)
事柄
(
ことがら
)
は
一塲
(
いちじやう
)
の
悲劇
(
トラジデー
)
です。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
餅菓子店
(
もちぐわしや
)
の
店
(
みせ
)
にツンと
濟
(
す
)
ましてる
婦人
(
をんな
)
なり。
生娘
(
きむすめ
)
の
袖
(
そで
)
誰
(
たれ
)
が
曳
(
ひ
)
いてか
雉子
(
きじ
)
の
聲
(
こゑ
)
で、ケンもほろゝの
無愛嬌者
(
ぶあいけうもの
)
、
其癖
(
そのくせ
)
甘
(
あま
)
いから
不思議
(
ふしぎ
)
だとさ。
神楽坂七不思議
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
さうして
此後
(
このご
)
も
大凡
(
おほよ
)
そこんな
状勢
(
じやうせい
)
で
進
(
すゝ
)
むからして
從
(
したがつ
)
て
少
(
すくな
)
くも
是迄
(
これまで
)
彌
(
いや
)
が
上
(
うへ
)
に
殖
(
ふ
)
えて
來
(
き
)
た
國債
(
こくさい
)
の
總額
(
そうがく
)
を
殖
(
ふや
)
さずに
濟
(
す
)
まし
得
(
う
)
る
次第
(
しだい
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
▼ もっと見る
『もつと
近
(
ちか
)
うお
寄
(
よ
)
りなさい。それで
檢死
(
けんし
)
の
役目
(
やくめ
)
は
濟
(
す
)
みますか。』と
言
(
い
)
ひ/\、
玄竹
(
げんちく
)
は
腐
(
くさ
)
つた
死體
(
したい
)
を
右
(
みぎ
)
に
左
(
ひだり
)
に、
幾度
(
いくたび
)
もひつくりかへした。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
爺
(
ぢい
)
やは
御飯
(
ごはん
)
の
時
(
とき
)
でも、なんでも、
草鞋
(
わらぢ
)
ばきの
土足
(
どそく
)
のまゝで
爐
(
ろ
)
の
片隅
(
かたすみ
)
に
足
(
あし
)
を
投
(
な
)
げ
入
(
い
)
れましたが、
夕方
(
ゆふがた
)
仕事
(
しごと
)
の
濟
(
す
)
む
頃
(
ころ
)
から
草鞋
(
わらぢ
)
をぬぎました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
達磨
(
だるま
)
はそれぎり
話題
(
わだい
)
に
上
(
のぼ
)
らなかつたが、これが
緒
(
いとくち
)
になつて、三
人
(
にん
)
は
飯
(
めし
)
の
濟
(
す
)
む
迄
(
まで
)
無邪氣
(
むじやき
)
に
長閑
(
のどか
)
な
話
(
はなし
)
をつゞけた。
仕舞
(
しまひ
)
に
小六
(
ころく
)
が
氣
(
き
)
を
換
(
か
)
へて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今更
(
いまさら
)
ながら
長吉
(
ちようきち
)
の
亂暴
(
らんぼう
)
に
驚
(
おどろ
)
けども
濟
(
す
)
みたる
事
(
こと
)
なれば
咎
(
とが
)
めだてするも
詮
(
せん
)
なく、
我
(
わ
)
が
名
(
な
)
を
借
(
か
)
りられしばかりつく/″\
迷惑
(
めいわく
)
に
思
(
おも
)
はれて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
火事
(
かじ
)
の
時
(
とき
)
には
防火樹
(
ぼうかじゆ
)
として
非常
(
ひじよう
)
に
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
ち
家
(
いへ
)
も
燒
(
や
)
かずに
濟
(
す
)
み、
時
(
とき
)
には
人
(
ひと
)
の
命
(
いのち
)
すら
救
(
すく
)
はれることがあることも
忘
(
わす
)
れてはなりません。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
毎朝
(
まいあさ
)
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
く
方面
(
はうめん
)
が
異
(
ことな
)
つて
居
(
ゐ
)
るにも
拘
(
かゝは
)
らず、
同時
(
どうじ
)
に
立
(
た
)
つて
行
(
ゆ
)
くのを
見
(
み
)
なければ
心
(
こゝろ
)
が
濟
(
す
)
まないのであつた。
毎朝
(
まいあさ
)
さうするので
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『
有難
(
ありがた
)
う、
見
(
み
)
てると
却々
(
なか/\
)
面白
(
おもしろ
)
い
舞踏
(
ぶたう
)
だわ』と
云
(
い
)
つて
愛
(
あい
)
ちやんは、
漸
(
やうや
)
くそれが
濟
(
す
)
んだのを
嬉
(
うれ
)
しく
思
(
おも
)
ひました、『
私
(
わたし
)
も
其
(
そ
)
の
奇妙
(
きめう
)
な
胡粉
(
ごふん
)
の
歌
(
うた
)
が
大好
(
だいす
)
きよ!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「それは
濟
(
す
)
みませんでしたのね。
私
(
わたし
)
はまた
此樣
(
こん
)
な天氣で氣が
欝々
(
うつ/\
)
して
爲樣
(
しやう
)
が無かツたもんですから、それで。」と何か
氣怯
(
きおそれ
)
のする
躰
(
てい
)
で
悸々
(
おど/\
)
しながらいふ。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
そして、それをまた
實
(
まこと
)
と
思
(
おも
)
はう。でも
誓言
(
せいごん
)
などなされると(
却
(
かへ
)
って)
心元
(
こゝろもと
)
ない、
戀人
(
こひゞと
)
が
誓言
(
せいごん
)
を
破
(
やぶ
)
るのはヂョーヴ
神
(
じん
)
も
只
(
たゞ
)
笑
(
わら
)
うてお
濟
(
す
)
ましなさるといふゆゑ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
歸營
(
きえい
)
してから三
日目
(
かめ
)
の
朝
(
あさ
)
だつた。
中隊教練
(
ちうたいけうれん
)
が
濟
(
す
)
んで
一先
(
ひとま
)
づ
解散
(
かいさん
)
すると、
分隊長
(
ぶんたいちやう
)
の
高岡軍曹
(
たかをかぐんそう
)
は
我々
(
われわれ
)
を
銃器庫裏
(
ぢうきこうら
)
の
櫻
(
さくら
)
の
樹蔭
(
こかげ
)
に
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
つて、「
休
(
やす
)
めつ‥‥」と、
命令
(
めいれい
)
した。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
以上
(
いじやう
)
の
如
(
ごど
)
く、
大體
(
だいたい
)
の
調査
(
てうさ
)
は
濟
(
す
)
んだのであるが、
猶
(
なほ
)
細
(
こま
)
かに、
小石
(
こいし
)
や、
泥
(
どろ
)
を
渫
(
さら
)
へ
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
たら、
玉類
(
たまるゐ
)
金環類
(
きんくわんるゐ
)
の
發見
(
はつけん
)
もあるのだらうが、それは
坪井博士
(
つぼゐはかせ
)
が
來
(
こ
)
られてからにして
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
始め若い者女子迄七八人
近付
(
ちかづき
)
に
成
(
なら
)
んと
惣纒頭
(
そうばな
)
を
打
(
うち
)
江戸町一丁目
玉屋内
(
たまやうち
)
初瀬留
(
はせとめ
)
と云ふ
娼妓
(
おひらん
)
を
揚
(
あげ
)
程
(
ほど
)
なく
妓樓
(
ぢよろや
)
へ
伴
(
ともな
)
はれ
陽氣
(
やうき
)
に
酒宴
(
しゆえん
)
も
濟
(
す
)
み
床
(
とこ
)
へ入りしが六之助は夫より
前
(
さき
)
初瀬留を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それでゐて一度バラバラとやつて見なくては氣が
濟
(
す
)
まないのだ。それ以上は堪らなくなつて其處へ置いてしまふ。以前の位置へ
戻
(
もど
)
すことさへ出來ない。私は幾度もそれを
繰返
(
くりかへ
)
した。
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
葉の落ちた
灌木
(
くわんぼく
)
の林の中をぶら/\歩いたが、晝食後(リード夫人は、客のない時は、はやく晝食を
濟
(
す
)
ませた)は、
冷
(
つめ
)
たい冬の風が、陰鬱な雲と、身にしみるやうな雨を
齎
(
もた
)
らしたので
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
寺
(
てら
)
でも
主簿
(
しゆぼ
)
の
御參詣
(
ごさんけい
)
だと
云
(
い
)
ふので、おろそかにはしない。
道翹
(
だうげう
)
と
云
(
い
)
ふ
僧
(
そう
)
が
出迎
(
でむか
)
へて、
閭
(
りよ
)
を
客間
(
きやくま
)
に
案内
(
あんない
)
した。さて
茶菓
(
ちやくわ
)
の
饗應
(
きやうおう
)
が
濟
(
す
)
むと、
閭
(
りよ
)
が
問
(
と
)
うた。「
當寺
(
たうじ
)
に
豐干
(
ぶかん
)
と
云
(
い
)
ふ
僧
(
そう
)
がをられましたか。」
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
『
濟
(
す
)
まないが、お握りを三つほど
拵
(
こしら
)
へて呉れないか、海苔に包んで……』
樹木とその葉:25 或る日の昼餐
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
僕
(
ぼく
)
は一
體
(
たい
)
、
滅多
(
めつた
)
に
封書
(
ふうしよ
)
といふものを
書
(
か
)
かない。そんなに
人
(
ひと
)
の
見
(
み
)
て
惡
(
わる
)
い
樣
(
やう
)
な
事
(
こと
)
を
書
(
か
)
く
場合
(
ばあひ
)
はないからなア。それで
僕
(
ぼく
)
は
何用
(
なによう
)
でも
大抵
(
たいてい
)
葉書
(
はがき
)
で
濟
(
す
)
ますのだが、
若
(
も
)
し一
枚
(
まい
)
で
足
(
た
)
りなければ二
枚
(
まい
)
續
(
つゞ
)
きにする。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
一晩
(
ひとばん
)
、
其
(
そ
)
のお
醫師
(
いしや
)
の
離座敷
(
はなれざしき
)
のやうな
處
(
ところ
)
に
泊
(
と
)
められますと、
翌朝
(
あけのあさ
)
、
咽喉
(
のど
)
へも
通
(
とほ
)
りません
朝御飯
(
あさごはん
)
が
濟
(
す
)
みました。
間
(
ま
)
もなくでございましたの。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
けれど
賓人
(
まれびと
)
よ、
私
(
わたくし
)
はよく
存
(
ぞん
)
じて
居
(
を
)
ります、
今夜
(
こんや
)
の
弦月丸
(
げんげつまる
)
とかで
御出發
(
ごしゆつぱつ
)
になつては、
奧樣
(
おくさま
)
も、
日出雄樣
(
ひでをさま
)
も、
决
(
けつ
)
して
御無事
(
ごぶじ
)
では
濟
(
す
)
みませんよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
勘次
(
かんじ
)
の
村落
(
むら
)
は
臺地
(
だいち
)
であるのと
鬼怒川
(
きぬがは
)
の
土手
(
どて
)
が
篠
(
しの
)
の
密生
(
みつせい
)
した
根
(
ね
)
の
力
(
ちから
)
を
以
(
もつ
)
て
僅
(
わづか
)
ながら
崩壤
(
ほうくわい
)
する
土
(
つち
)
を
引
(
ひ
)
き
止
(
と
)
めたので
損害
(
そんがい
)
が
輕
(
かる
)
く
濟
(
す
)
んだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
燈
(
あかり
)
も
明
(
あか
)
るき
無料
(
むれう
)
の
官宅
(
くわんたく
)
に、
奴婢
(
ぬひ
)
をさへ
使
(
つか
)
つて
住
(
す
)
んで、
其上
(
そのうへ
)
、
仕事
(
しごと
)
は
自分
(
じぶん
)
の
思
(
おも
)
ふ
儘
(
まゝ
)
、
仕
(
し
)
ても
仕
(
し
)
ないでも
濟
(
す
)
んでゐると
云
(
い
)
ふ
位置
(
ゐち
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
さうして
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
は、
父
(
ちゝ
)
の
亡骸
(
なきがら
)
がもう
冷
(
つめ
)
たくなつてゐたのである。
宗助
(
そうすけ
)
は
今
(
いま
)
に
至
(
いた
)
る
迄
(
まで
)
其時
(
そのとき
)
の
父
(
ちゝ
)
の
面影
(
おもかげ
)
を
思
(
おも
)
ひ
浮
(
うか
)
べては
濟
(
す
)
まない
樣
(
やう
)
な
氣
(
き
)
がした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
爺
(
ぢい
)
やは
心配
(
しんぱい
)
して、
父
(
とう
)
さんを
言
(
い
)
ひなだめに
來
(
き
)
て
呉
(
く
)
れましたが、
父
(
とう
)
さんは
誰
(
だれ
)
の
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
も
聞
(
き
)
き
入
(
い
)
れずに、みんなの
夕飯
(
ゆふはん
)
の
濟
(
す
)
むまでそこに
立
(
た
)
ちつくしました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『
私
(
わたし
)
はお
茶
(
ちや
)
を
濟
(
す
)
ませて
了
(
しま
)
ひたう
御座
(
ござ
)
います』と
云
(
い
)
つて
帽子屋
(
ばうしや
)
は
氣遣
(
きづか
)
はしげに、
女王樣
(
ぢよわうさま
)
の
方
(
はう
)
を
見
(
み
)
ました、
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
演奏者
(
えんそうしや
)
の
名簿
(
めいぼ
)
を
讀
(
よ
)
んで
居
(
を
)
られました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
朝鮮
(
てうせん
)
及
(
および
)
臺灣等
(
たいわんとう
)
の
分
(
ぶん
)
を
加
(
くは
)
へても一
億
(
おく
)
七千
萬圓
(
まんゑん
)
餘
(
よ
)
であつて、
大正
(
たいしやう
)
八
年
(
ねん
)
に
略
(
ほゞ
)
同額
(
どうがく
)
の
輸入超過
(
ゆにふてうくわ
)
であつた
以外
(
いぐわい
)
は
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く
少額
(
せうがく
)
で
濟
(
す
)
んだことは
近年
(
きんねん
)
類
(
るゐ
)
のないことである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
太郎樣
(
たらうさま
)
への
朝參
(
あさまゐ
)
りは
母
(
かゝ
)
さんが
代理
(
だいり
)
してやれば
御免
(
ごめん
)
こふむれとありしに、いゑ/\
姉
(
ねえ
)
さんの
繁昌
(
はんじよう
)
するやうにと
私
(
わたし
)
が
願
(
ぐわん
)
をかけたのなれば、
參
(
まゐ
)
らねば
氣
(
き
)
が
濟
(
す
)
まぬ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
(
この
)
一舞踏
(
ひとをどり
)
が
濟
(
す
)
んだなら、
姫
(
ひめ
)
の
居處
(
ゐどころ
)
に
目
(
め
)
を
着
(
つ
)
け、
此
(
この
)
賤
(
いや
)
しい
手
(
て
)
を、
彼
(
あ
)
の
君
(
きみ
)
の
玉手
(
ぎょくしゅ
)
に
觸
(
ふ
)
れ、せめてもの
男冥利
(
をとこみゃうり
)
にせう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
自分は急いで
夕餐
(
ゆうげ
)
を
濟
(
す
)
まして、
箸
(
はし
)
を投出すと直に、螢籠をぶらさげて、ぷいと
家
(
うち
)
を飛出すのであツた。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
勿論
(
もちろん
)
、
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
もなく
疑
(
うたが
)
ひだけで
濟
(
す
)
んだのだが、一
夜
(
や
)
を
思
(
おも
)
はぬ
所
(
ところ
)
で
明
(
あ
)
かしてしまつた
誰彼
(
たれかれ
)
、あまり
寢覺
(
ねざ
)
めがよかつた
筈
(
はず
)
も
無
(
な
)
いが、
何
(
なん
)
でも
物事
(
ものごと
)
の
先驅者
(
せんくしや
)
の
受難
(
じゆなん
)
の
一卷
(
ひとまき
)
とすれば
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
貰ふとは申さぬと云れて左仲は
力身
(
りきみ
)
も
拔
(
ぬ
)
け齒の根も合ずくづ/\と是非なく懷中より金百兩の
包
(
つゝみ
)
を取出し盜賊に渡せば是々夫では
濟
(
す
)
まぬ惡ひ
根性
(
こんじやう
)
だ
斯
(
かく
)
直段
(
ねだん
)
の極つて居る者を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此
(
こ
)
の
髮
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
を
引拔
(
ひきぬ
)
かれますやうに……
骨身
(
ほねみ
)
に
應
(
こた
)
へるやうなんです……
蟲
(
むし
)
には
濟
(
す
)
まないと
存
(
ぞん
)
じながら……
眞個
(
ほんと
)
に
因果
(
いんぐわ
)
なんですわねえ。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼
(
かれ
)
はふと
自分
(
じぶん
)
の
火
(
ひ
)
が
燒
(
や
)
いたことを
思
(
おも
)
つた
時
(
とき
)
、
酷
(
ひど
)
く
自分
(
じぶん
)
のことのみをいつて
畢
(
しま
)
つたのが
濟
(
す
)
まないやうな
心持
(
こゝろもち
)
がしてならなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
食事
(
しよくじ
)
を
濟
(
す
)
ましても、
出勤
(
しゆつきん
)
の
時刻
(
じこく
)
にはまだ
大分
(
だいぶ
)
間
(
ま
)
があつた。
坂井
(
さかゐ
)
では
定
(
さだ
)
めて
騷
(
さわ
)
いでるだらうと
云
(
い
)
ふので、
文庫
(
ぶんこ
)
は
宗助
(
そうすけ
)
が
自分
(
じぶん
)
で
持
(
も
)
つて
行
(
い
)
つて
遣
(
や
)
る
事
(
こと
)
にした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
云
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
るぞ
夕方
(
ゆふがた
)
は
別
(
べつ
)
して
風
(
かぜ
)
が
寒
(
さむ
)
し
其
(
その
)
うへに
風
(
かぜ
)
でも
引
(
ひ
)
かば
芳之助
(
よしのすけ
)
に
對
(
たい
)
しても
濟
(
す
)
むまいぞやといふ
詞
(
ことば
)
の
尾
(
を
)
に
附
(
つ
)
いてお
高
(
たか
)
おそる/\
顏
(
かほ
)
をあげ
御病氣
(
ごびやうき
)
といふことを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
日本
(
にほん
)
の
經濟界
(
けいざいかい
)
に
急激
(
きふげき
)
な
變化
(
へんくわ
)
を
與
(
あた
)
へるやうなことをせずとも
必
(
かなら
)
ず
濟
(
す
)
む、と
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふことの
確信
(
かくしん
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
すればまだしも
尋常
(
ひととほり
)
の
憂悲歎
(
うきかなしみ
)
で
濟
(
す
)
まうものを。チッバルトがお
死
(
し
)
にゃった
上
(
うへ
)
に、
殿
(
しんが
)
りに「ロミオは
追放
(
つゐはう
)
」。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
『
銘々
(
めい/\
)
自分
(
じぶん
)
の
名
(
な
)
を
書
(
か
)
いてるんだ』とグリフォンが
答
(
こた
)
へて、『
審問
(
しんもん
)
の
濟
(
す
)
むまでに
忘
(
わす
)
れて
了
(
しま
)
ふと
困
(
こま
)
るから』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
『はい、
决
(
けつ
)
して
御無事
(
ごぶじ
)
には
濟
(
す
)
みません。』と、
亞尼
(
アンニー
)
は
眞面目
(
まじめ
)
になつた、
私
(
わたくし
)
の
顏
(
かほ
)
を
頼母
(
たのも
)
し
氣
(
げ
)
に
見上
(
みあ
)
げて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
周三は、吃驚したやうに頭を
擡
(
もた
)
げると、お房は何時の間にか
掃除
(
そうじ
)
を
濟
(
す
)
まして
脇
(
わき
)
に來て突立ツてゐた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
生來
(
せいらい
)
貴方
(
あなた
)
は
怠惰者
(
なまけもの
)
で、
嚴格
(
げんかく
)
で
無
(
な
)
い
人間
(
にんげん
)
、
其故
(
それゆゑ
)
貴方
(
あなた
)
は
何
(
な
)
んでも
自分
(
じぶん
)
に
面倒
(
めんだう
)
でないやう、
働
(
はたら
)
かなくとも
濟
(
す
)
むやうと
計
(
ばか
)
り
心掛
(
こゝろが
)
けてゐる、
事業
(
じげふ
)
は
代診
(
だいしん
)
や、
其他
(
そのた
)
のやくざものに
任
(
まか
)
せ
切
(
き
)
り
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
祖母
(
おばあ
)
さんはあの
鍵
(
かぎ
)
の
用
(
よう
)
が
濟
(
す
)
むと、
藏
(
くら
)
の
前
(
まへ
)
の
石段
(
いしだん
)
を
降
(
お
)
りて、
柿
(
かき
)
の
木
(
き
)
の
間
(
あひだ
)
を
通
(
とほ
)
りましたが、そこに
父
(
とう
)
さんがよく
遊
(
あそ
)
んで
居
(
ゐ
)
たのです。
味噌藏
(
みそぐら
)
の
階上
(
うへ
)
には
住居
(
すまゐ
)
に
出來
(
でき
)
た二
階
(
かい
)
がありました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
妹は翌年の三月頃の
初産
(
うひざん
)
を兩親のゐる私の家で
濟
(
す
)
ますために
暫
(
しばら
)
く上京するのであつた。
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
偖
(
さて
)
祝儀
(
しうぎ
)
も
濟
(
す
)
みて與惣次と傳吉お專
而已
(
のみ
)
なればお專傳吉に
打向
(
うちむか
)
ひお早どのは私しが
養母
(
やうぼ
)
にてお梅どのは私しの
姉
(
あね
)
なり
豫
(
かね
)
てお
咄
(
はな
)
し申せし如く私十二歳の時に病氣の
父
(
ちゝ
)
を
捨
(
すて
)
て
家財
(
かざい
)
殘
(
のこ
)
らず
掻
(
かき
)
さらひお梅どのを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
人
(
ひと
)
は
我
(
わ
)
が
身體
(
からだ
)
の
一部分
(
いちぶぶん
)
を、
何年
(
なんねん
)
にも
見
(
み
)
ないで
濟
(
す
)
ます
場合
(
ばあひ
)
が
多
(
おほ
)
いから……
姿見
(
すがたみ
)
に
向
(
むか
)
はなければ、
顏
(
かほ
)
にも
逢
(
あ
)
はないと
同一
(
おなじ
)
かも
知
(
し
)
れぬ。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夫
(
それ
)
ではお
前
(
まへ
)
加减
(
かげん
)
でも
惡
(
わ
)
るいか、まあ
何
(
ど
)
うしたと
言
(
い
)
ふ
譯
(
わけ
)
、
此處
(
こゝ
)
まで
挽
(
ひ
)
いて
來
(
き
)
て
厭
(
い
)
やに
成
(
な
)
つたでは
濟
(
す
)
むまいがねと
聲
(
こゑ
)
に
力
(
ちから
)
を
入
(
い
)
れて
車夫
(
しやふ
)
を
叱
(
しか
)
れば、
御免
(
ごめん
)
なさいまし
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
濟
部首:⽔
17画
“濟”を含む語句
相濟
事濟
見濟
濟難
聞濟
仕濟
經濟
百濟
返濟
經濟上
經濟状態
經濟界
濟度
釣濟
裁許濟
開濟
米國經濟界
積濟
相濟迄
默弟濟納
...