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初瀬留
始め若い者女子迄七八人
近付に
成んと
惣纒頭を
打江戸町一丁目
玉屋内初瀬留と云ふ
娼妓を
揚程なく
妓樓へ
伴はれ
陽氣に
酒宴も
濟み
床へ入りしが六之助は夫より
前初瀬留を
宥し伊豆大島へ
遠島次に煙草屋喜八は
構ひなし
妻梅
構ひなし
家主平兵衞此度の
働き町人には
奇特の
儀に付
譽置右の通申
渡され
双方一
件落着せり
偖穀物屋吉右衞門は女郎
初瀬留を
添悴夫婦并に喜八が是まで
厚く
世話に
成し
禮として
遣はし
又吉原の
男藝者五八は
心實なる者故
吉右衞門悦びの餘り
悴が
命の親なりと
號し
禮金三百兩を
贈り
又初瀬留よりも
衣類其外
目録にして
委細の文を