“茶菓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さか50.0%
ちゃか25.0%
さくわ16.7%
ちやくわ8.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
主人からそれぞれに紹介されて、例のごとくに茶菓さかが出る。来会者もこれで揃ったという時に、青蛙堂主人は一礼して今日こんにち挨拶あいさつに取りかかった。
ふたりがりっぱなものでおおわれた丸テーブルをはさんで、安楽イスに腰をおろしますと、待ちかまえていたように、べつのボーイが茶菓さかを運んできました。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
けて風寒く、空には雲のただずまい、月の明暗する窓によりて、沈黙する禿木氏と、燈火ともしびの影によく語る孤蝶子との中にたって、茶菓さかを取まかなっていた女史の胸は
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
点燈てんとう茶菓さか雑談。左千夫、その釜に一首を題せよといふ。余問ふ、湯のたぎる音如何いかん。左千夫いふ、釜大きけれど音かすかなり、波の遠音にも似たらんかと。すなわ
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
河瀬かわせという少年の給仕がいて、茶菓さかをはこんだりするために、たびたび塾長室に出はいりしていたので、かれに中の様子をきいてみようかとも思ったが、それも何だか変だという気がして、ただひとりで気をもんでいた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
こう考える主人は、ときどきそれとなくおくまねいで茶菓ちゃかなどをあたえ、種々しゅじゅ会話かいわをこころみるけれど、かれが心面しんめんになんらのひびきを見いだしえない。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
このうつわは大名と多紀法印とに茶菓ちゃかを呈する時に限って用いたそうである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
大阪から例の瀬戸内通せとうちがよいの汽船に乗って春海しゅんかい波平らかな内海うちうみを航するのであるが、ほとんど一昔も前の事であるから、僕もその時の乗合の客がどんな人であったやら、船長がどんな男であったやら、茶菓ちゃかを運ぶボーイの顔がどんなであったやら、そんなことは少しもおぼえていない。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
自分は海岸通りのホテルに茶菓さくわあぢはつたのち、汽車で東京に帰つた。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
その後はたゞ階下でかなでられるピアノかハァプの響きや、召使長や給仕が往來する足音や、茶菓さくわが渡される時のコップや茶碗の響や、客間の扉が開閉する時の切れ/″\の話聲などに耳を澄ますことであつた。
それから、茶菓さくわを私にすゝめた。
さて茶菓ちやくわ饗應きやうおうむと、りようた。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)