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仕濟
差出せば次右衞門は
此刀を申請
厚く禮を
述暇を告て門前迄
出先々仕濟したりと
發と一
息吐て飛が如くに役宅へ歸り
此趣きを越前守へ申上
彌々召捕手筈を
窺へば
晝の
疲かすや/\と
休み
寢入居り夜具の上より
床も
徹れと氷の
刄情なくも只一
突女は
苦痛の聲も得立ず
敢なくも
息絶たれば
仕濟したりと
床の下より
件の
服紗包を
詠め居る
體にもてなし肥前が目に
留りて心中に
怪しと思はせん者と
※るとは
毫知らざれば肥前は
亭主の彌次六に向ひ
只今庭へ出給ふ御方は
如何なる客人にや
當人とは思はれずと云に彌次六は
仕濟たりと聲を