“仄白”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほのじろ88.7%
ほのしろ11.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
チチ、チチと、小禽ことりの声がする。客殿の戸のすきまから仄白ほのじろい光がさす。夜明けだ。頼朝は、声なく、叫びながらふすまを蹴って起きた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ばかされながらもその頃までは、まだ前後を忘却していなかった筈ですが、路地を出ると、すぐ近く、高い石磴いしだんが、くらがりに仄白ほのじろい。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
隅田川から仄白ほのしろい物が、一団ムラムラと飛び上がった。が、すぐ水面へ消えてしまった。それはかもめの群れらしかった。女は急に立ち止まった。そこに一軒の屋敷があった。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一所いつしよりたひとは、みんはなれ/″\になつて、ことありいそがしくあるいてく。まちのはづれをると、左右さいういへのきから家根やねへかけて、仄白ほのしろけむりが大氣たいきなかうごいてゐるやうえる。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)