“石磴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いしだん60.0%
せきとう40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ばかされながらもその頃までは、まだ前後を忘却していなかった筈ですが、路地を出ると、すぐ近く、高い石磴いしだんが、くらがりに仄白ほのじろい。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、みちの上に新しい石磴いしだんがあって、やはり新らしいひのきの小さな鳥居とりいが見えた。勘作はたしかにこれだと思ってその石磴をあがって往った。
ある神主の話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
寺の敷地は門よりも低くなっていて、石磴せきとうを下ること五、六段。掃除のよく行きとどいている門内には百日紅さるすべりの花のなお咲き残っているのを見た。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
藪から上は、松の多い山で、赤い幹の間から石磴せきとうが五六段手にとるように見える。大方おおかた御寺だろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)