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石磴
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せきとう
ふりがな文庫
“
石磴
(
せきとう
)” の例文
寺の敷地は門よりも低くなっていて、
石磴
(
せきとう
)
を下ること五、六段。掃除のよく行きとどいている門内には
百日紅
(
さるすべり
)
の花のなお咲き残っているのを見た。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
藪から上は、松の多い山で、赤い幹の間から
石磴
(
せきとう
)
が五六段手にとるように見える。
大方
(
おおかた
)
御寺だろう。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
騎者等の我を
拉
(
ひ
)
き往くは、とある洞窟の一つにて、その入口は
石楠
(
エピゲエア
)
の枝といろ/\なる
蔓艸
(
つるくさ
)
とに隱されたり。我等は足を
駐
(
とゞ
)
めつ。
徐
(
しづ
)
かに口笛吹く聲と共に、扉を開く響す。再び數級の
石磴
(
せきとう
)
を下る。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
塩竈神祠
(
しおがましんし
)
駅ノ南一里バカリニアリ俗呼ンデ一ノ宮トイフ。(略)乃駅吏ニ命ジ前導セシメ駅ヲ出デヽ左折シテ一山ヲ
踰
(
こ
)
ユ。青松茂密スル処ニ到レバ
石磴
(
せきとう
)
数百級アリ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
仰数
(
あおぎかぞう
)
春星
(
しゅんせい
)
一二三の句を得て、
石磴
(
せきとう
)
を登りつくしたる時、
朧
(
おぼろ
)
にひかる春の海が帯のごとくに見えた。山門を入る。
絶句
(
ぜっく
)
は
纏
(
まと
)
める気にならなくなった。即座にやめにする方針を立てる。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
石磴
(
せきとう
)
を登らむとする時その麓なる井のほとりに老婆の石像あるを見、これは何かと
僕
(
しもべ
)
に問へば
咳嗽
(
せき
)
のばばさまとて、せきを病むもの
願
(
がん
)
を掛け病
癒
(
いゆ
)
れば甘酒を供ふるなりといへり。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
偶然と宿を
出
(
い
)
でて足の向くところに任せてぶらぶらするうち、ついこの
石磴
(
せきとう
)
の下に出た。しばらく
不許葷酒入山門
(
くんしゅさんもんにいるをゆるさず
)
と云う石を
撫
(
な
)
でて立っていたが、急にうれしくなって、登り出したのである。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
石
常用漢字
小1
部首:⽯
5画
磴
漢検1級
部首:⽯
17画
“石”で始まる語句
石
石鹸
石垣
石塊
石見
石燈籠
石榴
石膏
石楠花
石碑