“ほのじろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
仄白74.6%
微白25.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして湖水のふちをぶらぶらしているうちに、ピラトゥスの日は暗く沈んで、空は湖水のように澄み渡った中に、仄白ほのじろい夕月が仰がれた。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
物の透間すきま仄白ほのじろくなって、戸の外に雀の寝覚が鈴の鳴るように聞える頃は、私はもう起きて、汗臭い身体に帯〆て、釜の下を焚附たきつけました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その時微白ほのじろい女の顔がさっと赤く染まって、寂しい微笑ほほえみの顔が華やかな笑顔になった。それからは岡田は極まって窓の女に礼をして通る。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
山国の五月はやっと桜が咲く時分で裏山の松や落葉松からまつの間に、微白ほのじろいその花が見え、桑畑はまだ灰色に、田は雪が消えたままに柔かくくろずんでいた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)