)” の例文
第四十八 魚と米のスープ これも魚の身を一旦いったん湯煮ておいて御飯とともにって裏漉しにしますがその割合は魚七分に御飯三分です。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
私は塩たれたメリンスの帯の結びめに、庖丁ほうちょう金火箸かなひばしや、大根り、露杓子つゆじゃくしのような、非遊離的ひゆうりてきな諸道具の一切いっさいはさんだ。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
いんようかばい立てでもするどころか、この玄蕃、組与頭戸部近江へごまをこころも手伝って、自分から先に立って喬之助いじめに日を暮らしたのだった。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
私はこれを、はじめ火でよく暖めて、もんで殻を取り、それから石でりつぶし、水を混ぜて、お菓子のようにして火で焼いて、牛乳と一しょに食べました。
それは銅のこわれた古鍋を買って来て、上に一つまみの塩を載せる。そうして火にくべる。塩が銅に焼けついて黒い粉が出来る。それを掻き集めてこまかくる。
日田の皿山 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
そして日の暮れるころには、笭箵びくの中に金色こんじきをしたふなこいをゴチャゴチャ入れて帰って来る。店子たなこはおりおりばちにみごとな鮒を入れてもらうことなどもある。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
乳鉢をる仕事や、調剤の終つた散薬を薬包紙に等分に分ける仕事を、少年に頼むことがあつた。
地獄 (新字旧仮名) / 神西清(著)
一六いちろく鳴鶴めいかくはもちろんのこと、三洲さんしゅう梧竹ごちく、いずれも書道の根本を弁えそこなった結果、方向を誤って、書は手先の能くする所と合点し、書道に筆ばかりをり減らしたものだ。
毎朝のおぜんに、なまの里芋をりつぶしてどろりとさせたものが出て、これにはどうにもはしをつけかねて非常に困惑したが、れいの津田さんは、或る朝、自分の部屋をのぞいて
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「八兄哥あにい、——一応その三人が怪しいと思うのはもっともだが、寺男の弥十やじゅうはこの寺に四十年も勤めている忠義者で、取って七十一だぜ、小坊主は十三と十一、まだろくに味噌もれねえ」
第三日は、うららかな天気に帰路に就いた。七八里も来たころ、父は茶屋に寄つてぬたもちを註文した。ぬた餅とふのは枝豆を擂鉢すりばちつて砂糖と塩で塩梅あんばいをつけて餅にまびつたものである。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
箒やりこ木や、鉄瓶や、提灯や、小桶や、薪や、炭俵や、火鉢などもある。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「オヤ。水なんか、いっぱい汲んであるじゃねえか。味噌をってやろか」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蟹を搗き蕃椒たうがらしり筑紫びと酒のさかなに噛む夏は来ぬ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
先ずハムの湯煮たのと鶏肉けいにくの湯煮たのとを四分六分位の割で細かくきざんでつぶして裏漉うらごしにします。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
これは先ず西洋風の蒲鉾かまぼこかハンペンのようなもので比目ひらめの身が二百目あるならばそれをって裏漉しにしてバターを大匙一杯玉子の黄身一つと塩胡椒とを入れてよく煉ります。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
外国米の御飯ならば裏漉うらごしに掛けられますが日本米の御飯は一旦いったん煮るとかるとかしないと粘着ねばいて裏漉しに骨が折れます。ジャガ芋なんぞでも日本のは大層粘着力が強いようです。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)