“金火箸”の読み方と例文
読み方割合
かなひばし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
真雄は、ふいごの前へ馳け寄って、どっかと、むしろの上に坐ると、金火箸かなひばしって、真っ赤な溶鉄となった玉鋼を、火土ほどの中から引き出した。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は塩たれたメリンスの帯の結びめに、庖丁ほうちょう金火箸かなひばしや、大根り、露杓子つゆじゃくしのような、非遊離的ひゆうりてきな諸道具の一切いっさいはさんだ。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
炉端ろばたに一人の老人が坐り、長い金火箸かなひばしで炉の火のぐあいを直していた。年は七十ちかいだろうか、逞しい躯と、あごの張った長い顔に、一種の威厳が感じられた。
ちくしょう谷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)