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金火箸
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かなひばし
ふりがな文庫
“
金火箸
(
かなひばし
)” の例文
真雄は、
鞴
(
ふいご
)
の前へ馳け寄って、どっかと、
筵
(
むしろ
)
の上に坐ると、
金火箸
(
かなひばし
)
を
把
(
と
)
って、真っ赤な溶鉄となった玉鋼を、
火土
(
ほど
)
の中から引き出した。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私は塩たれたメリンスの帯の結びめに、
庖丁
(
ほうちょう
)
や
金火箸
(
かなひばし
)
や、大根
擂
(
す
)
り、
露杓子
(
つゆじゃくし
)
のような、
非遊離的
(
ひゆうりてき
)
な諸道具の
一切
(
いっさい
)
を
挟
(
はさ
)
んだ。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
炉端
(
ろばた
)
に一人の老人が坐り、長い
金火箸
(
かなひばし
)
で炉の火のぐあいを直していた。年は七十ちかいだろうか、逞しい躯と、
顎
(
あご
)
の張った長い顔に、一種の威厳が感じられた。
ちくしょう谷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そんな際誰も私の
無躾
(
ぶしつけ
)
をとがめる者はなかった。隠亡が、
金火箸
(
かなひばし
)
で乱暴に灰の
塊
(
かたまり
)
をたたき割るのを見た。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「まるでお大名の若殿みてえだ、おらの
他
(
ほか
)
に浮気でもしたら、眼のくり玉へ
金火箸
(
かなひばし
)
をぶっ通すだぞ」
若殿女難記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
範宴が、水桶を
担
(
にな
)
って入ってきたのを見ると、
泥竈
(
へっつい
)
のまえに、
金火箸
(
かなひばし
)
を持っていた学頭が
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
甲斐は長い
金火箸
(
かなひばし
)
を取って、燃えている炉の火を直した。彼の額に深く、三筋の皺がよった。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「領境の向うならあります」老人は
金火箸
(
かなひばし
)
で灰に図を描いた
ちくしょう谷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
火
常用漢字
小1
部首:⽕
4画
箸
常用漢字
中学
部首:⽵
15画
“金”で始まる語句
金
金色
金子
金盥
金持
金剛石
金襴
金槌
金箔
金魚