“火土”の読み方と例文
読み方割合
ほど100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
真雄は、ふいごの前へ馳け寄って、どっかと、むしろの上に坐ると、金火箸かなひばしって、真っ赤な溶鉄となった玉鋼を、火土ほどの中から引き出した。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
太子町の上流に掛かったやな小屋に幾日か過ごして我が釣った鮎をくずの葉の火土ほど焼きにして食べた味は、永久に忘れまい。
水の遍路 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
涙はこぼれて、はがねまし、冷めた鋼は又、火土ほどの中へ投げ込まれて、彼の苦しい胸のあえぎを吐くように、鞴の呼吸いきにかけられた。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)