“鋼”のいろいろな読み方と例文

読み方	割合
はがね	88.9%
こう	5.6%
あか	1.9%
かね	1.9%
ハガネ	1.9%

はがね

下人は、老婆をつき放すと、いきなり、太刀の鞘（さや）を払って、白い鋼（はがね）の色をその眼の前へつきつけた。けれども、老婆は黙っている。

羅生門 (新字新仮名) ／ 芥川竜之介(著)

こう

... 前にして、計算尺（けいさんじゃく）をひねりつつあり」とか「金博士、只今、バーミンガムの特殊鋼（とくしゅこう）工場へ、マンガン鋼（こう）五十トンの注文を発せり」

独本土上陸作戦：――金博士シリーズ・３―― (新字新仮名) ／ 海野十三(著)

あか

下げてきた鋼（あか）のやかんに一杯雪をつめて戻ってくると、祖母はそれをゆるい火の上にかけて、雪解の水をわかし、それで玉露をいれるのでした。

幻の園 (新字新仮名) ／ 豊島与志雄(著)

かね

鏡は丸い鋼（かね）の鏡——夏になるとよく磨師（とぎし）に磨かせてゐましたが、とにかく黒ずんだ、沈んだ顏が鏡の底の底の方に生氣なくうつるのでした。

鏡二題 (旧字旧仮名) ／ 長谷川時雨(著)

ハガネ

唯一ナル生ノ切リ口ニ　鋼（ハガネ）ノゴトク手触レルデアラウ≫

逸見猶吉詩集 (新字旧仮名) ／ 逸見猶吉(著)

“鋼”の意味

《名詞》

（はがね）「はがね」を参照。

（こう）鉄を主成分とする鉄合金の総称。工業規格や金属学上では、およそ 0.02 % から 2 % の炭素を含む鉄合金を指す。炭素含有量、添加元素の違いにより種々の性質をもつ。鋼鉄。
(出典:Wiktionary)

“鋼”の解説

鋼（はがね、こう、釼は異体字、en: steel）とは、炭素を400ppmから2パーセント程度含む鉄の合金。鋼鉄（こうてつ）とも呼ばれる。炭素のみを加えた炭素鋼と、ニッケル・クロムなどを加えた特殊鋼（合金鋼）の2種が存在する。純粋な鉄に比べ強靭で加工性に優れ、鉄の利用の大部分は鋼によって占められているため、鉄と鋼を合わせ鉄鋼（てっこう）とも呼ばれる。資源量が豊富で精錬しやすく、強靱であり加工もしやすい上に安価であるため世界中で広く利用され、産業上重要な位置を占める。このため生産量も非常に多く、世界の金属材料生産量の約95％は鋼となっている。
(出典:Wikipedia)

鋼	常用漢字 小６ 部首:⾦ 16画